技術に同行する倫理学

技術に同行する倫理学
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与技术相伴的道德

DOI:
10.11425/sst.11.85
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发表时间:
2022
期刊:
Studies in Science and Technology
影响因子:
--
通讯作者:
鈴木 俊洋
鈴木 俊洋
中科院分区:
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文献类型:
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作者:
北野 孝志;寺本 剛;金光 秀和;紀平 知樹;鈴木 俊洋

文献摘要

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術的) 人工物の配置や設計を工夫して人間の行為を変化させることは, 行動経済学などで 「ナッジ」 という言葉で表現されることもあるが, 同じことを, 技術的媒介論は, 技術による人間の行為の 「媒介」 と表現する. ここで 「媒介」 という言葉には, 注意が必要である. スピードバンプのような例について, 普通の言い方であれば, 我々は, たとえば, 技術による行為の 「変容 modification」(あるいは変化 change) のような言葉で表現してもいいはずである. 技術的媒介論が, それを 「変容」 や 「変化」 と言わずに 「媒介」 と言うことには, 重要な意味がある. ここで,「媒介」 という言葉は, あるものが別のものの存在の条件となりながら, そのもののあり方に大きな影響を与えていることを意味している. 波と媒質との関係性がよい例である. 波のあり方は, 媒質の性質によって影響を受ける. しかし, 媒質からの影響を受ける以前の 「純粋な (あるいは本来的な)」 波なるものがあるわけでは (少なくとも現実的には) ない. 媒質からの影響をなるべく小さくしようとして最終的に媒質がなくなってしまえば, そこには波自体も存在しなくなってしまうからである. たとえば, 空気や水や物質を伝わる波である音のあり方は, 媒質の物理的状態によって大きく変化するが, 媒質からの影響をまったく受けない音などはありえない. 伝わるものがなければ音自体もなくなってしまうからである. 技術による行為の 「変容」 という言い方をする場合, そこでは, 変容前の (つまり技術からの影響を受ける前の) 純粋な (あるいは本来的な) 行為があることが前提されていることになるが, 技術による行為の 「媒介」 という言い方をする場合には, 技術から影響を受ける前の,「純粋な」 あるいは 「本来的な」 行為などというものはないということが含意されている. たとえば, 自動車による道路の通行という行為は, 道路のあり方によって影響を受けるが, 道路からの影響を受けない 「純粋な (本来的な) 自動車通行」 などという行為は現実には存在しない. 自動車による道路の通行という行為は, 道路という人工物がなければ成立しないからである. スピードバンプによって自動車通行という行為が 「変容」 されると述べてしまうと, そこでは, 変容される前の 「純粋な」 自動車通行なるものが存在することが前提されていることになるが, 行為が 「媒介」 されると述べる場合には, 道路のあり方による影響を受けない 「純粋な」 道路通行などという行為は存在しないということが含意されているのである.(2)2.2 技術による 「経験の媒介」 技術による人間への影響のもう一つの側面は, 技術による 「経験の媒介」 である. たとえば, 我々は望遠鏡やメガネを使って何かを見ることによって, 同じものを裸眼で見るのとは違う経験を持つことができる. つまり, 技術が我々の 「経験」(具体的には 「視知覚」) を変化させているのである. ここでも, 技術的媒介論が, この事態を, 技術による経験の 「変容」 ではなく, 経験の 「媒介」 と表現するのは, 技術によって変容される前の純粋な経験の存在が否定されていることを意味している. この場合, たとえば, 肉眼で見ていた星が望遠鏡で大きく見えているのであれば, 肉眼で見ていた時の星の経験を, 変容前の, 純粋な (本来的な) 経験としてもよいように思われる.