京金工・大月光興の研究-「文人金工」像の確立のために
京金工・大月光興の研究-「文人金工」像の確立のために
批准号:
20K00205
负责人:
内藤 直子
金额:
$2.33万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份:
2020
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2020-04-01 至 2025-03-31
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英文摘要
コロナが落ち着き、ようやく各地への調査が行いやすくなった本年であるが、その最大の成果は、長年探し続けていた大月光興作「地獄図鐔」の所在を確認し、調査を行うことができたことにある。縦10.0㎝横8.5㎝、厚さ0.4㎝の真鍮槌目地の鐔は、近江商人として知られた初代中井源左衛門(光武)の子で京都に店を持った中井武成の注文により、文政五年に制作されたものであり、名著『鏨廼花』第二巻の巻頭を飾った作品としても知られる。武成は京都の趣味人としても知られていたようで、光興も所載される『平安人物志』には蹴鞠の項に載る。作品は一転して地獄の図であり、そこには光興らしいアイロニーが潜む。この解釈については検討の上、本研究の報告書にて述べたいが、発注者の意図というものがどう絡むのかという点において、「発注者」と「制作者」が作品表現に与えた影響を考える上でも重要な作例である。中井武成は同時期に京都の後藤一乗に来迎図の揃金具(重要文化財)を注文制作させており、一連の制作意図は中井家側からも追う必要があるだろう。また史料調査においては、平成29~31年度にかけて実施した科研費研究により既に取得していた『鏨廼花』編纂史料(京都国立博物館蔵)に含まれる大月家関連の史料を再検討し、新たな発見を得た。従来大月家の家系は大月光林-光恒―光芳―光興と続くとされてきたが、光恒と光芳の間に光室という人物がいることがわかった。これについてはかつて絵画研究者の松原茂氏が光興筆の絵画作品の印文に「光林五世嫡」とあることから従来説では一代ずれることを指摘されていた(「金工の絵画 光興・一乗・夏雄」『此君』第10号、平成31年)。同印はこの「五世」を裏付ける発見でもある。これらの詳細は、最終年度の報告書にて執筆する予定である。
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