隕石中に見られる中空状炭素質ナノ粒子の生成過程:電子顕微鏡による模擬実験
隕石中に見られる中空状炭素質ナノ粒子の生成過程:電子顕微鏡による模擬実験
批准号:
22916010
负责人:
齊藤 碧
金额:
$0.36万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2010
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2010 至 --
中文摘要
○研究目的宇宙空間に広く存在している多環芳香族炭化水素(PAH)は、晩期星の質量放出中でアセチレンから生成すると予想されている。PAHは隕石中からも見つかっており、惑星系の炭素質材料の基になっていると考えられているが、生成してから隕石や惑星に取り込まれるまでの間に受ける影響についてはほとんどわかっていない。最近行ったプラズマ環境中でのPAHクラスター生成の実験で、隕石中に多数発見されている中空状炭素質ナノ粒子に似た、中心に空洞を持つナノ粒子を、比較的単純なPAHであるベンゼンやアントラセンから得ることに成功した。本研究では、この粒子の生成過程の再現として顕微鏡によるその場観察を行うことで、宇宙空間での炭化水素分子の進化過程の一経路を提案することを目的とした。○研究方法ガラス小窓付きのステンレス製のチャンバーを独自に設計し、真空排気装置に導入した。このチャンバー内にヘリウムガスを導入し、市販のPAH粉末(ナフタレンやアントラセンなど)を400度程度の温度で加熱蒸発させることにより、PAHナノ粒子を作製した。高分解能透過電子顕微鏡を用いて、作製したPAHクラスターのサイズや構造の分析を行い、プラズマ環境中で生成した粒子との違いを比較した。○研究成果100nm程度のナノ粒子が連なった形状の物質が観察でき、構造解析からそれらは出発物質のPAHのナノ粒子であることが明らかとなった。この結果をプラズマ変成の実験と比較すると、400度程度では炭素化などの変成は受けず、中空状炭素質ナノ粒子はプラズマの影響を受けていることが分かった。中央の空洞はプラズマ粒子や電子の照射によって作られた原子空孔が集合することで、負結晶が生成するように形成したと予想できた。粒子の形状もプラズマ変成を受けた場合と受けていない場合では大きく異なることが分かった。また、作製した真空チャンバーは、導入するガスの変更を容易にできるよう設計してあるため、これによりガス種を変えながら、より宇宙環境に近づけた実験条件でPAHナノ粒子を作製することが可能となった。
英文摘要
○研究目的宇宙空間に広く存在している多環芳香族炭化水素(PAH)は、晩期星の質量放出中でアセチレンから生成すると予想されている。PAHは隕石中からも見つかっており、惑星系の炭素質材料の基になっていると考えられているが、生成してから隕石や惑星に取り込まれるまでの間に受ける影響についてはほとんどわかっていない。最近行ったプラズマ環境中でのPAHクラスター生成の実験で、隕石中に多数発見されている中空状炭素質ナノ粒子に似た、中心に空洞を持つナノ粒子を、比較的単純なPAHであるベンゼンやアントラセンから得ることに成功した。本研究では、この粒子の生成過程の再現として顕微鏡によるその場観察を行うことで、宇宙空間での炭化水素分子の進化過程の一経路を提案することを目的とした。○研究方法ガラス小窓付きのステンレス製のチャンバーを独自に設計し、真空排気装置に導入した。このチャンバー内にヘリウムガスを導入し、市販のPAH粉末(ナフタレンやアントラセンなど)を400度程度の温度で加熱蒸発させることにより、PAHナノ粒子を作製した。高分解能透過電子顕微鏡を用いて、作製したPAHクラスターのサイズや構造の分析を行い、プラズマ環境中で生成した粒子との違いを比較した。○研究成果100nm程度のナノ粒子が連なった形状の物質が観察でき、構造解析からそれらは出発物質のPAHのナノ粒子であることが明らかとなった。この結果をプラズマ変成の実験と比較すると、400度程度では炭素化などの変成は受けず、中空状炭素質ナノ粒子はプラズマの影響を受けていることが分かった。中央の空洞はプラズマ粒子や電子の照射によって作られた原子空孔が集合することで、負結晶が生成するように形成したと予想できた。粒子の形状もプラズマ変成を受けた場合と受けていない場合では大きく異なることが分かった。また、作製した真空チャンバーは、導入するガスの変更を容易にできるよう設計してあるため、これによりガス種を変えながら、より宇宙環境に近づけた実験条件でPAHナノ粒子を作製することが可能となった。
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