ソジウムセスキカーボネート法による出土鉄製品の脱塩処理過程における変色の研究
ソジウムセスキカーボネート法による出土鉄製品の脱塩処理過程における変色の研究
批准号:
26904012
负责人:
杉崎 佐保惠
金额:
$0.32万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2014
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2014 至 2015
中文摘要
ソジウムセスキカーボネート法によって、研究対象の鉄地銀象嵌刀装具一式を脱塩処理した。脱塩処理の過程において、研究対象の表面に変色を認めなかった。脱塩処理の前に、研究対象に露出した象嵌線を多数認め、露出した象嵌線のほとんどは黒色を呈しており、一部は白色を呈していた。脱塩処理の後、研究対象から鉄の錆瘤が剥落して象嵌線が新たに露出した。新たに露出した象嵌線表面は灰色を呈していた。銀と塩素が化学反応を起こして銀が腐食すると塩化銀が生成されること、塩化銀は灰色を呈することから、象嵌線表面の灰色部分は塩化銀であると推定した。象嵌線の腐食に対する塩素の関与について詳細に検討するため、機器分析を実施した。研究対象の小破片のクロスセクションに対して、電子線プローブマイクロアナライザーを用いて元素分析を実施した結果、鉄の錆瘤および象嵌線から塩素を検出した。また、塩素の分布箇所からカリウムも検出した。この塩素は脱塩処理によって除去しきれなかった残留塩素であると考える。保存修復において、象嵌の表出の際に、グラインダーに取り付けた砥石で錆瘤を削り落とすが、象嵌線の表面を意図的に削ることはしない。したがって、脱塩処理の後に象嵌線に残留した塩素は、象嵌の表出の過程で除去されることなく残り、象嵌線と鉄地金の腐食を促進させる可能性があると考察する。目視および実体顕微鏡では灰色に観察された象嵌線の小破片2点を、エネルギー分散型蛍光エックス線装置で元素分析した結果、2点のどちらからも銀、塩素、カリウムを検出した。エックス線回折装置を用いて結晶構造分析を実施した結果、一方からは塩化銀、もう一方からは塩化銀と金属銀を検出した。この分析結果から、灰色の象嵌線は腐食によって塩化銀に化学変化していること、腐食の進行度は不均一であることを考察した。
英文摘要
ソジウムセスキカーボネート法によって、研究対象の鉄地銀象嵌刀装具一式を脱塩処理した。脱塩処理の過程において、研究対象の表面に変色を認めなかった。脱塩処理の前に、研究対象に露出した象嵌線を多数認め、露出した象嵌線のほとんどは黒色を呈しており、一部は白色を呈していた。脱塩処理の後、研究対象から鉄の錆瘤が剥落して象嵌線が新たに露出した。新たに露出した象嵌線表面は灰色を呈していた。銀と塩素が化学反応を起こして銀が腐食すると塩化銀が生成されること、塩化銀は灰色を呈することから、象嵌線表面の灰色部分は塩化銀であると推定した。象嵌線の腐食に対する塩素の関与について詳細に検討するため、機器分析を実施した。研究対象の小破片のクロスセクションに対して、電子線プローブマイクロアナライザーを用いて元素分析を実施した結果、鉄の錆瘤および象嵌線から塩素を検出した。また、塩素の分布箇所からカリウムも検出した。この塩素は脱塩処理によって除去しきれなかった残留塩素であると考える。保存修復において、象嵌の表出の際に、グラインダーに取り付けた砥石で錆瘤を削り落とすが、象嵌線の表面を意図的に削ることはしない。したがって、脱塩処理の後に象嵌線に残留した塩素は、象嵌の表出の過程で除去されることなく残り、象嵌線と鉄地金の腐食を促進させる可能性があると考察する。目視および実体顕微鏡では灰色に観察された象嵌線の小破片2点を、エネルギー分散型蛍光エックス線装置で元素分析した結果、2点のどちらからも銀、塩素、カリウムを検出した。エックス線回折装置を用いて結晶構造分析を実施した結果、一方からは塩化銀、もう一方からは塩化銀と金属銀を検出した。この分析結果から、灰色の象嵌線は腐食によって塩化銀に化学変化していること、腐食の進行度は不均一であることを考察した。
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科研奖励(0)
会议论文
古墳時代の金属製象嵌製品の製作技法の解明と保存修復のための診断技術の確立
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批准号:20H00691
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项目类别:Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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资助金额:$0.31万
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财政年份:2020
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负责人:杉崎 佐保惠
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依托单位: