コンラッドの小説における進化論言説とモダニズムの語りの形成
コンラッドの小説における進化論言説とモダニズムの語りの形成
批准号:
14710340
负责人:
伊藤 正範
金额:
$1.41万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份:
2002
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2002 至 2003
中文摘要
研究最終年度に当たる本年においては、引き続きコンラッド作品の分析と、進化論および社会ダーウィン主義関係の一次資料の収集・解析を行い、前年度における調査結果と併せ、最終的な結論に向け論考を重ねた。資料調査の結果、社会ダーウィン主義の言説は、その起源であるダーウィニズムの本来の思想と大きく齟齬を来すものであるという認識が得られた。ダーウィニズムは、「自然選択」という科学的概念によって、進化にいかなる目的性もないことを示唆した。他方、社会ダーウィン主義は、そのまさに同じ概念によって、資本主義社会のヒエラルキーの正当性を裏付けようとした。コンラッドの小説には、意味づけへの衝動に囚われた語りと、そうした語りを放棄し、一貫した意味づけを拒絶する試みとが同時に存在している。昨年度の研究において、進化論言説と小説の語りを、共に広義の「語り」として捉えるべきであるという考察に至ったが、そうした観点からロンブローゾやハヴェロック・エリス、スペンサーなどの著作における科学的言語のレトリックと、コンラッドの意味づける語りとを再分析してみると、この時代の「語り」がそもそも、既存の社会秩序に基づいた意味づけを後押しするための装置であることが見えてくる。そうした中、あえて「語ること」を放棄しようと試みるコンラッドは、小説の成り立ちそのものである語りを捨てるという危険を犯しながらも、ダーウィン後の時代において、世界認識の変容に敏感に反応しながら、小説の新たな形態を模索しているように見える。初期モダニズムとしてのコンラッドの形式については、これまでもさまざまな議論が重ねられてきたが、そこにダーウィニズムを原点とする認識論的変革の直接的関わりを見いだした点に、本研究の意義があると考える。同時に、その後のモダニズムへと続いていく流れの中に、ダーウィニズムを再配置する可能性もまた見いだされた。
英文摘要
研究最終年度に当たる本年においては、引き続きコンラッド作品の分析と、進化論および社会ダーウィン主義関係の一次資料の収集・解析を行い、前年度における調査結果と併せ、最終的な結論に向け論考を重ねた。資料調査の結果、社会ダーウィン主義の言説は、その起源であるダーウィニズムの本来の思想と大きく齟齬を来すものであるという認識が得られた。ダーウィニズムは、「自然選択」という科学的概念によって、進化にいかなる目的性もないことを示唆した。他方、社会ダーウィン主義は、そのまさに同じ概念によって、資本主義社会のヒエラルキーの正当性を裏付けようとした。コンラッドの小説には、意味づけへの衝動に囚われた語りと、そうした語りを放棄し、一貫した意味づけを拒絶する試みとが同時に存在している。昨年度の研究において、進化論言説と小説の語りを、共に広義の「語り」として捉えるべきであるという考察に至ったが、そうした観点からロンブローゾやハヴェロック・エリス、スペンサーなどの著作における科学的言語のレトリックと、コンラッドの意味づける語りとを再分析してみると、この時代の「語り」がそもそも、既存の社会秩序に基づいた意味づけを後押しするための装置であることが見えてくる。そうした中、あえて「語ること」を放棄しようと試みるコンラッドは、小説の成り立ちそのものである語りを捨てるという危険を犯しながらも、ダーウィン後の時代において、世界認識の変容に敏感に反応しながら、小説の新たな形態を模索しているように見える。初期モダニズムとしてのコンラッドの形式については、これまでもさまざまな議論が重ねられてきたが、そこにダーウィニズムを原点とする認識論的変革の直接的関わりを見いだした点に、本研究の意義があると考える。同時に、その後のモダニズムへと続いていく流れの中に、ダーウィニズムを再配置する可能性もまた見いだされた。
期刊论文(2)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
伊藤 正範: "途絶える血脈、途切れる語り-"The Idiots"における進化論言説とモダニズム-"釧路公立大学紀要(人文・自然科学研究). 16号. 31-44 (2004)
伊藤正典:《断绝的血统、中断的叙事——《白痴》中的进化论和现代主义》钏路公立大学学报(人文自然科学研究)第16期31-44(2004年)。
DOI:
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发表时间:
期刊:
影响因子:
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作者:
[]
通讯作者:
伊藤 正範: "退化論言説とモダニズム--The Secret Agentにおける語りのパラドックス"英文学研究. 79.2. 103-121 (2002)
伊藤正德:“堕落话语与现代主义——《秘密特工》中的叙事悖论”英国文学研究79.2(2002)。
DOI:
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发表时间:
期刊:
影响因子:
--
作者:
[]
通讯作者:
ヴィクトリア朝からモダニズム期にかけての小説に見る法廷の群衆表象と語りの変遷
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批准号:23K00390
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项目类别:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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资助金额:$1.5万
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财政年份:2023
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负责人:伊藤 正範
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依托单位:
船舶のレトリック分析を通してのコンラッドの初期モダニズムの形式研究
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批准号:17720052
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项目类别:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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资助金额:$0.9万
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财政年份:2005
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负责人:伊藤 正範
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依托单位:
海外基金