核磁気共鳴法によるナノスケール分子磁性体の研究
核磁気共鳴法によるナノスケール分子磁性体の研究
批准号:
03J05068
负责人:
山崎 朋秋
金额:
$0.96万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2003
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2003 至 2004
中文摘要
ナノスケール分子磁性体Fe8は,各分子がs=5/2のFeスピン8個を含んだ微小な磁性体で,基底状態ではS=10の分子スピン状態が実現している.熱緩和が抑制される低温では,トンネリングによる分子スピンの反転によって磁化が緩和するが,分子スピンと核スピンの相互作用がどのように関連しているかは,まだよくわかっていない.我々は,磁化容易軸に垂直な方向に磁場を印加することにより,トンネルギャップを拡げた条件下で,まず基本的物性を把握するために,^1H NMRの緩和時間の測定を行った.その結果,^1Hの縦緩和率1/T_1はArrhenius型の温度依存性を示し,ギャップはおよそ4.2Kであることがわかった.また,^1Hの横緩和が単純な指数関数で表されず,Gauss型の緩和成分があることがわかった.これは,観測される核スピン間に直接あるいは間接的な相互作用があることを示唆している.また,^1Hの信号が観測される4.6T付近で縦緩和時間が十分長くなる120mKにおいて,^1Hの信号を飽和させた後,トンネルギャップと^1HのZeemanエネルギーが一致する2〜3Tまで磁場を下げると,^1Hの緩和が著しく速くなることがわかった.これは,過去に報告されているインコヒーレントなトンネリングによるゆらぎの増幅と定性的には一致する結果である.しかし,このようなトンネリングは磁場印加方向に対して鋭敏であるため,我々の実験条件で観測にかかってよいかは疑問であり,信号強度が磁場ヒステリシスを示すのは他の要因がある可能性も否定しきれない.
英文摘要
ナノスケール分子磁性体Fe8は,各分子がs=5/2のFeスピン8個を含んだ微小な磁性体で,基底状態ではS=10の分子スピン状態が実現している.熱緩和が抑制される低温では,トンネリングによる分子スピンの反転によって磁化が緩和するが,分子スピンと核スピンの相互作用がどのように関連しているかは,まだよくわかっていない.我々は,磁化容易軸に垂直な方向に磁場を印加することにより,トンネルギャップを拡げた条件下で,まず基本的物性を把握するために,^1H NMRの緩和時間の測定を行った.その結果,^1Hの縦緩和率1/T_1はArrhenius型の温度依存性を示し,ギャップはおよそ4.2Kであることがわかった.また,^1Hの横緩和が単純な指数関数で表されず,Gauss型の緩和成分があることがわかった.これは,観測される核スピン間に直接あるいは間接的な相互作用があることを示唆している.また,^1Hの信号が観測される4.6T付近で縦緩和時間が十分長くなる120mKにおいて,^1Hの信号を飽和させた後,トンネルギャップと^1HのZeemanエネルギーが一致する2〜3Tまで磁場を下げると,^1Hの緩和が著しく速くなることがわかった.これは,過去に報告されているインコヒーレントなトンネリングによるゆらぎの増幅と定性的には一致する結果である.しかし,このようなトンネリングは磁場印加方向に対して鋭敏であるため,我々の実験条件で観測にかかってよいかは疑問であり,信号強度が磁場ヒステリシスを示すのは他の要因がある可能性も否定しきれない.
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