海産真核性微生物を宿主とするウイルスの多様性と進化生態に関する研究
海産真核性微生物を宿主とするウイルスの多様性と進化生態に関する研究
批准号:
06J01178
负责人:
高尾 祥丈
金额:
$1.47万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2006
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2006 至 2007
中文摘要
本年度は,海底泥中ウイルスの多様性を探ることを目的とし,底泥試料中からのウイルスRNAの抽出条件の最適化を行った。底泥中には様々な夾雑物が混入しており,RNA抽出後の逆転写反応等の酵素反応が阻害される可能性があることから,バッファーを添加し,上清中にウイルス粒子を遊離させ,夾雑物の影響をできる限り軽減するよう工夫した。また,様々なRNA抽出試薬を比較検討し,最終的に最適な抽出法の確立に成功した。一方,渦鞭毛藻類ヘテロカプサに感染するRNAウイルスHcRNAVはコートタンパク質のアミノ酸配列の一部(4箇所)に変異集中領域が存在し,同領域の変異がHcRNAV種内の感染特異性に関与していることが示されている。今日までに,HcRNAVは宿主に対する感染特異性から2つのタイプ(HcRNAV34系群,HcRNAV109系群)に,宿主であるヘテロカプサはHcRNAVに対する感受性特異性から、以下の4タイプの存在が明らかとなっている:1)HcRNAV34感受性タイプ,2)HcRNAV109感受性タイプ,3)HcRNAV34弱感受性タイプ[05HC05タイプ],4)HcRNAV抵抗性タイプ[05HC06タイプ]。本年度は,新たに05HC05,05HC06タイプそれぞれを溶藻するタイプのHcRNAV株の分離を試みるとともに,上述の変異集中領域の解析によりHcRNAV種内の多様性の解析を試みた。その結果,4タイプのH. circularisquamaそれぞれに対して顕著な溶藻能を示すウイルス株が分離されたことから,HcRNAVには従来知られていたHcRNAV34系群,109系群以外に05HC05,05HC06に対する溶藻能を持つ系群がそれぞれ存在することが明らかとなった。また,各ウイルス株について予想される変異集中領域を比較したところ,05HC05溶藻系群はHcRNAV34系群と完全に一致した。このことから,両系群における溶藻性の違いは複製過程にある可能性が示唆された。一方,05HC06溶藻系群の配列は概ねHcRNAV34系群と一致したが,数箇所に特異的なアミノ酸置換が確認された。また,HcRNAV34系群とされてきた株の一部には,05HC06溶藻系群と全く同じ変異を持つ株が存在した。これらの事実は,HcRNAV34系群および同系群に近縁な05HC05タイプ,05HC06タイプ,ならびにそれらに感受性を持つ宿主系群との間の複雑な関係性を示唆しており,HcRNAVの感染特異性決定機構の解明に新たな課題を提示することとなった。
英文摘要
本年度は,海底泥中ウイルスの多様性を探ることを目的とし,底泥試料中からのウイルスRNAの抽出条件の最適化を行った。底泥中には様々な夾雑物が混入しており,RNA抽出後の逆転写反応等の酵素反応が阻害される可能性があることから,バッファーを添加し,上清中にウイルス粒子を遊離させ,夾雑物の影響をできる限り軽減するよう工夫した。また,様々なRNA抽出試薬を比較検討し,最終的に最適な抽出法の確立に成功した。一方,渦鞭毛藻類ヘテロカプサに感染するRNAウイルスHcRNAVはコートタンパク質のアミノ酸配列の一部(4箇所)に変異集中領域が存在し,同領域の変異がHcRNAV種内の感染特異性に関与していることが示されている。今日までに,HcRNAVは宿主に対する感染特異性から2つのタイプ(HcRNAV34系群,HcRNAV109系群)に,宿主であるヘテロカプサはHcRNAVに対する感受性特異性から、以下の4タイプの存在が明らかとなっている:1)HcRNAV34感受性タイプ,2)HcRNAV109感受性タイプ,3)HcRNAV34弱感受性タイプ[05HC05タイプ],4)HcRNAV抵抗性タイプ[05HC06タイプ]。本年度は,新たに05HC05,05HC06タイプそれぞれを溶藻するタイプのHcRNAV株の分離を試みるとともに,上述の変異集中領域の解析によりHcRNAV種内の多様性の解析を試みた。その結果,4タイプのH. circularisquamaそれぞれに対して顕著な溶藻能を示すウイルス株が分離されたことから,HcRNAVには従来知られていたHcRNAV34系群,109系群以外に05HC05,05HC06に対する溶藻能を持つ系群がそれぞれ存在することが明らかとなった。また,各ウイルス株について予想される変異集中領域を比較したところ,05HC05溶藻系群はHcRNAV34系群と完全に一致した。このことから,両系群における溶藻性の違いは複製過程にある可能性が示唆された。一方,05HC06溶藻系群の配列は概ねHcRNAV34系群と一致したが,数箇所に特異的なアミノ酸置換が確認された。また,HcRNAV34系群とされてきた株の一部には,05HC06溶藻系群と全く同じ変異を持つ株が存在した。これらの事実は,HcRNAV34系群および同系群に近縁な05HC05タイプ,05HC06タイプ,ならびにそれらに感受性を持つ宿主系群との間の複雑な関係性を示唆しており,HcRNAVの感染特異性決定機構の解明に新たな課題を提示することとなった。
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DOI:
--
发表时间:
2006
期刊:
Journal of the Marino Biological Association of the United Kingdom 86
影响因子:
--
作者:
[K.Nagasaki, Y.Tomaru, Y.Shirai, Y.Takao, H.Mizumoto]
通讯作者:
H.Mizumoto
Interspecies host specificity of a single-stranded RNA virus infecting a marine photosynthetic protist is determined at the early steps of infection.
感染海洋光合原生生物的单链RNA病毒的种间宿主特异性是在感染的早期步骤确定的。
DOI:
--
发表时间:
2007
期刊:
J.Virol 81
影响因子:
--
作者:
[Mizumoto, H, Tomaru, Y, Takeo, Y, Shirai, Y, Nagasaki, K]
通讯作者:
K
Genomic and phylogenetic analysis of a single-stranded RNA virus infecting Rhizosolenia setigera(Stramenopiles : Bacillariophyeeae).
感染Rhizosolenia setigera(原生藻菌目:Bacillariophyeeae)的单链RNA病毒的基因组和系统发育分析。
DOI:
--
发表时间:
2006
期刊:
J.Mar.Biol.Ass U.K. 86
影响因子:
--
作者:
[Shirai, Y, Takeo, T, Mizumoto, H, Tomaru, Y, Honda, D, Nagasaki, K.]
通讯作者:
K.
Heterocapsa circularisquama感染性ウイルスHcRNAVの種内多様性の解析.
圆鳞异壳感染病毒 HcRNAV 种内多样性分析。
DOI:
--
发表时间:
2008
期刊:
影响因子:
--
作者:
[Takeo, Y, Tomaru, Y, Nagasaki, K, Sasakura, Y, Yokoyama, R, Honda, D., Kusuda S, Kusuda S, 高尾祥丈・長崎慶三・外丸裕司・白井葉子・櫻田清成・金 眞珠・水本祐之.]
通讯作者:
高尾祥丈・長崎慶三・外丸裕司・白井葉子・櫻田清成・金 眞珠・水本祐之.
Fluorescence in situ hybridization using rRNA-targeted probe for specific detection of thraustochytrids(Labyrinthulea).
使用 rRNA 靶向探针进行荧光原位杂交,用于特异性检测破囊壶菌 (Labyrinthulea)。
DOI:
--
发表时间:
期刊:
Plankton Benthos Res. (in press)
影响因子:
--
作者:
[Takeo, Y, Tomaru, Y, Nagasaki, K, Sasakura, Y, Yokoyama, R, Honda, D.]
通讯作者:
D.
共 12 条