油濁損害防止・軽減措置によって生じる費用請求権と船主責任制限法上の制限債権の解釈
油濁損害防止・軽減措置によって生じる費用請求権と船主責任制限法上の制限債権の解釈
批准号:
22K01236
负责人:
松田 忠大
金额:
$1.66万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份:
2022
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2022-04-01 至 2025-03-31
中文摘要
本研究は、船舶油濁事故において、船主責任制限制度との関係で、その被害者救済に不合理な格差が生じていることを核心的な問いとして設定する。そのうえで、経営的体力に乏しい漁業者、観光業者等が、事故を引き起こした船舶から流出した燃料油(バンカー油)を除去するために要した費用を、わが国の船主責任制限法上の制限債権から除外する法理論を構築し、被害者の公平な救済を図ることを目的として研究を遂行する。本研究は、このテーマに関連するわが国および外国における判例・先行研究を調査して、現時点における制限債権の範囲をめぐる解釈論の到達点を明らかにしたうえで、責任制限制度の現代的意義、契約解釈の法理等を手がかりにして、設定した問いに対する答えを導くものである。そのため、研究初年度においては、研究助成金を用いて、まず、イギリスにおける船主責任制限制度に関する文献、わが国の商法・船主責任制限制度・環境法に関する文献を購入した。特に、イギリスに船主責任制限制度に関する文献からは、同国の裁判所における船主責任制限法上の制限債権解釈における船舶から流出した燃料油の清掃費の位置づけに関する基本的な知見を得ることができた。また、同文献からはこれに関連するイギリスの裁判例に関するいくつかの手がかりも得ることができた。わが国では、実務上は、漁業者等が自発的に行った流出燃料油の清掃を、これを流出させて船主が当該漁業者に委託したものと解釈し、これに要した費用を制限債権から除外することがあるとの先行研究がある。船主がこうした擬制に従わない場合も十分に考えられることから、漁業者等と船主との間で明示的な合意がない場合であっても、両者の間の委託契約の成立を導く必要がある。そのため、研究初年度においては、研究助成金を用いて、民法における契約法理に関する文献を購入し、この観点での理論構成を検討する準備を整えた。
英文摘要
本研究は、船舶油濁事故において、船主責任制限制度との関係で、その被害者救済に不合理な格差が生じていることを核心的な問いとして設定する。そのうえで、経営的体力に乏しい漁業者、観光業者等が、事故を引き起こした船舶から流出した燃料油(バンカー油)を除去するために要した費用を、わが国の船主責任制限法上の制限債権から除外する法理論を構築し、被害者の公平な救済を図ることを目的として研究を遂行する。本研究は、このテーマに関連するわが国および外国における判例・先行研究を調査して、現時点における制限債権の範囲をめぐる解釈論の到達点を明らかにしたうえで、責任制限制度の現代的意義、契約解釈の法理等を手がかりにして、設定した問いに対する答えを導くものである。そのため、研究初年度においては、研究助成金を用いて、まず、イギリスにおける船主責任制限制度に関する文献、わが国の商法・船主責任制限制度・環境法に関する文献を購入した。特に、イギリスに船主責任制限制度に関する文献からは、同国の裁判所における船主責任制限法上の制限債権解釈における船舶から流出した燃料油の清掃費の位置づけに関する基本的な知見を得ることができた。また、同文献からはこれに関連するイギリスの裁判例に関するいくつかの手がかりも得ることができた。わが国では、実務上は、漁業者等が自発的に行った流出燃料油の清掃を、これを流出させて船主が当該漁業者に委託したものと解釈し、これに要した費用を制限債権から除外することがあるとの先行研究がある。船主がこうした擬制に従わない場合も十分に考えられることから、漁業者等と船主との間で明示的な合意がない場合であっても、両者の間の委託契約の成立を導く必要がある。そのため、研究初年度においては、研究助成金を用いて、民法における契約法理に関する文献を購入し、この観点での理論構成を検討する準備を整えた。
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