酵母菌体内酵素が関与する清酒の劣化臭「老香」生成機構の解明と新規抑制法の開発
酵母菌体内酵素が関与する清酒の劣化臭「老香」生成機構の解明と新規抑制法の開発
批准号:
22K05537
负责人:
藤井 力
金额:
$2.66万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份:
2022
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2022-04-01 至 2025-03-31
中文摘要
老香(ひねか)は清酒の品質を毀損する貯蔵劣化臭で、ジメチルトリスルフィド(DMTS)が主要な原因成分である。DMTS生成経路は2系統が見出され、本研究では死滅酵母から漏出された酵素と基質が関わるDMTS生成経路を解析、酵素や基質の同定と酵素反応阻害による老香抑制技術開発を目的としている。本年度は次の実験を中心に行なった:①酵素反応の抑制が観察されたmri1, mde1機能不全株で製造した清酒を分子量分画し、mri1やmde1変異が酵素生成と基質生成のどちらに関与するのか明らかにする、②酵素反応中に増加する硫黄化合物のうちDMTS前駆体候補を見出す。①では、過去に製造した清酒を分子量分画し、通常酵母で製造した清酒の高分子画分(基質)とmri1, mde1機能不全株で製造した清酒の低分子画分の組み合わせや逆の組み合わせなどで実験を行なった。その結果、基質生成とmri1, mde1機能不全との関与が示唆されたが、酵素活性が低く、十分な結果に至らなかった。今後、遺伝子破壊株を作成し直し、清酒製造中の酵母を単離・破砕・分画し、緩衝液中で反応させるなどの精度の高い実験により明らかにする予定である。②では、活性にごり酒を酵母が死滅する条件で保存し、強制劣化後のDMTS濃度が5倍以上増加した清酒を保存前と比較し解析した。既知の前駆体DMTS-P1の減少、強制劣化前の微量DMTS濃度、ビールやウイスキー製造でDMTSの前駆体であるメチオナールや関連するメチオノールの増加を見出した。メチオナールやメチオノールの添加試験を行なったところ、メチオナールは清酒でもDMTS前駆体であることが明らかになったが、DMTS生成への寄与は低かった。今後、強制劣化後のDMTS濃度を説明できる前駆体を探索するとともに、酵素反応や貯蔵劣化中の酸化反応に影響を与える因子とその寄与割合についても検討する予定である。
英文摘要
老香(ひねか)は清酒の品質を毀損する貯蔵劣化臭で、ジメチルトリスルフィド(DMTS)が主要な原因成分である。DMTS生成経路は2系統が見出され、本研究では死滅酵母から漏出された酵素と基質が関わるDMTS生成経路を解析、酵素や基質の同定と酵素反応阻害による老香抑制技術開発を目的としている。本年度は次の実験を中心に行なった:①酵素反応の抑制が観察されたmri1, mde1機能不全株で製造した清酒を分子量分画し、mri1やmde1変異が酵素生成と基質生成のどちらに関与するのか明らかにする、②酵素反応中に増加する硫黄化合物のうちDMTS前駆体候補を見出す。①では、過去に製造した清酒を分子量分画し、通常酵母で製造した清酒の高分子画分(基質)とmri1, mde1機能不全株で製造した清酒の低分子画分の組み合わせや逆の組み合わせなどで実験を行なった。その結果、基質生成とmri1, mde1機能不全との関与が示唆されたが、酵素活性が低く、十分な結果に至らなかった。今後、遺伝子破壊株を作成し直し、清酒製造中の酵母を単離・破砕・分画し、緩衝液中で反応させるなどの精度の高い実験により明らかにする予定である。②では、活性にごり酒を酵母が死滅する条件で保存し、強制劣化後のDMTS濃度が5倍以上増加した清酒を保存前と比較し解析した。既知の前駆体DMTS-P1の減少、強制劣化前の微量DMTS濃度、ビールやウイスキー製造でDMTSの前駆体であるメチオナールや関連するメチオノールの増加を見出した。メチオナールやメチオノールの添加試験を行なったところ、メチオナールは清酒でもDMTS前駆体であることが明らかになったが、DMTS生成への寄与は低かった。今後、強制劣化後のDMTS濃度を説明できる前駆体を探索するとともに、酵素反応や貯蔵劣化中の酸化反応に影響を与える因子とその寄与割合についても検討する予定である。
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