D.H.ロレンス文学における視点の操作と他者性の問題
D.H.ロレンス文学における視点の操作と他者性の問題
批准号:
20K12953
负责人:
高畑 悠介
金额:
$0.92万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
财政年份:
2020
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2020-04-01 至 2024-03-31
中文摘要
点击翻译按钮获取中文摘要
英文摘要
前年度までは、当初の計画通り、D.H.ロレンス文学における他者性と視点の問題という観点から『息子と恋人』と『虹』について論文を執筆し、査読誌への掲載に至ったが、その後、他者性と視点の問題という観点はロレンス文学全体を把握・議論する上で必ずしも十分な枠組みではないという認識に至り、より広い観点から残りのロレンスの主要作品を論じることを目標に定めた。今年度は『チャタレイ夫人の恋人』について、他者性と視点の問題とは別個の観点から論じたものを査読誌に投稿し、掲載に至った(「D.H.ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』におけるユートピアの脆さと肛門性交の描写の意味」『テクスト研究』19(2023):23-41)。当該論文では、『チャタレイ夫人の恋人』が現代文明の病理や害悪に対抗する形で打ち出す性愛のユートピアが、その際立ったイノセンスゆえに帯びることとなっているある種の「脆さ」に着目し、従来論議を呼んできた第16章におけるコニーとメラーズの肛門性交のくだりが、その「脆さ」を打ち消すために導入された戦略的なものとみなし得ることを論じた。コニーとメラーズが示す子どものようなイノセンスは、二人の性愛のユートピアから、セックスが本来帯びているところの根源的な「悪」を――それがセックスに与えるある種の不穏な力ごと――脱色して骨抜きにしまっており、それが前述の「脆さ」をもたらしていると見ることができるが、コニーとメラーズの肛門性交という性的逸脱行為は、そのようなセックスの根源的な力を二人の性愛のユートピアに取り戻させ、以って件の「脆さ」を克服するために設けられた、意識的・戦略的な「悪」として解釈し得ると結論づけた。そして、このような印象・余韻レベルでの繊細とも言い得る調整の身振りは、唯我独尊的なイメージが先行しがちなロレンスの小説作法について新たな見方を提示できる可能性を示していることを示唆した。
期刊论文(4)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
D.H.ロレンス『息子と恋人』における他者性と視点の問題
D.H.劳伦斯《儿子与情人》中的他者与视角问题
DOI:
--
发表时间:
2021
期刊:
テクスト研究
影响因子:
--
作者:
[James Thurgill, 宮澤優樹, 稲森 雅子, Hiroko Matsuzaki, 高畑悠介, 田畠健太郎, Other One: The Absent God in J.M. Barrie’s Interwar Writings, 宮澤文雄, 山根亮一, 松崎寛子, 宮澤優樹, 稲森 雅子, 高畑悠介]
通讯作者:
高畑悠介
D.H.ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』におけるユートピアの脆さと肛門性交の描写の意味
D·H·劳伦斯《查泰莱夫人的情人》中乌托邦脆弱性的意义与肛交描写
DOI:
--
发表时间:
2023
期刊:
『テクスト研究』
影响因子:
--
作者:
[神谷まり子,大東和重,齊藤大紀,福長悠,中野徹,中村みどり,田中雄大,城山拓也,杉村安幾子,中野知洋,池田智恵,奥野行伸,大野陽介,松村志乃,高橋俊, 高畑悠介]
通讯作者:
高畑悠介
D.H.ロレンス『虹』―他者性と視点の扱いから見る世代間の相違
D.H.劳伦斯的彩虹:对待他人和观点的代际差异
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
『テクスト研究』
影响因子:
--
作者:
[James Thurgill, 宮澤優樹, 稲森 雅子, Hiroko Matsuzaki, 高畑悠介]
通讯作者:
高畑悠介