19世紀フランスの「人形文学」研究:女性間の想像上のコミュニティ形成をめぐって
19世紀フランスの「人形文学」研究:女性間の想像上のコミュニティ形成をめぐって
批准号:
20J21289
负责人:
谷口 奈々恵
金额:
$2.18万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2020
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2020-04-24 至 2023-03-31
中文摘要
本年度は昨年度に引き続き、フランスのパリ・シテ大学の准教授ガブリエル・ウーブル氏のもとで次の通り研究を進めた。第一に、人形というモノと対峙した際の人間の精神状態について、歴史家ジュール・ミシュレとその二番目の妻アテナイス・ミアラレの著作を通じて考察した。アテナイスの幼少期の自伝『ある子どもの回想』(1866)を中心に、人形を前にした際に生じる人間の「信じ込んでいながら信じていない」という心理機制が、アテナイスの自伝と夫ミシュレの自然史や女性論の成立に与えた影響を検討した。この成果は論文としてまとめ、『Phantastopia』第2号に掲載された。第二に、第二帝政期における人形と人種の問題について検討を進めた。フランスでは19世紀初頭より海外から人形が輸入されたり、植民地の人々をモデルとした人形が徐々に制作され始めていた。当時の政治・社会的背景を踏まえつつ、児童文学に描かれた黒人やクレオールの人形のモティーフの考察を通じて、上層階級の白人の少女たちにとっての「他者」を表象する人形が当時のフランス社会において有していた意味、人種をめぐる認識の在り方に与えた影響を分析した。この成果はウーブル氏の研究会でフランス語の口頭発表を行い、現在、論文を執筆中である。第三に、本研究で主に扱ってきたのは女性型の人形と人間の女性の関係性であるが、ジェンダーとセクシュアリティの問題をより広い視野で捉えるべく、児童文学、オペラや演劇作品における男性型の人形の表象ないし人間の男性と人形の関係というテーマにも着手した。以上の通り本年度は、前年度まで取り組んできた女性のジェンダー規範の観点に加え、フランスの上層階級の女性たちにとっての「他者」性の問題へと考察を展開すると同時に、モノとしての人形に対する人間の精神状態の検討を進めることで、19世紀フランスの人形文化にさらに多角的な視座からアプローチした。
英文摘要
本年度は昨年度に引き続き、フランスのパリ・シテ大学の准教授ガブリエル・ウーブル氏のもとで次の通り研究を進めた。第一に、人形というモノと対峙した際の人間の精神状態について、歴史家ジュール・ミシュレとその二番目の妻アテナイス・ミアラレの著作を通じて考察した。アテナイスの幼少期の自伝『ある子どもの回想』(1866)を中心に、人形を前にした際に生じる人間の「信じ込んでいながら信じていない」という心理機制が、アテナイスの自伝と夫ミシュレの自然史や女性論の成立に与えた影響を検討した。この成果は論文としてまとめ、『Phantastopia』第2号に掲載された。第二に、第二帝政期における人形と人種の問題について検討を進めた。フランスでは19世紀初頭より海外から人形が輸入されたり、植民地の人々をモデルとした人形が徐々に制作され始めていた。当時の政治・社会的背景を踏まえつつ、児童文学に描かれた黒人やクレオールの人形のモティーフの考察を通じて、上層階級の白人の少女たちにとっての「他者」を表象する人形が当時のフランス社会において有していた意味、人種をめぐる認識の在り方に与えた影響を分析した。この成果はウーブル氏の研究会でフランス語の口頭発表を行い、現在、論文を執筆中である。第三に、本研究で主に扱ってきたのは女性型の人形と人間の女性の関係性であるが、ジェンダーとセクシュアリティの問題をより広い視野で捉えるべく、児童文学、オペラや演劇作品における男性型の人形の表象ないし人間の男性と人形の関係というテーマにも着手した。以上の通り本年度は、前年度まで取り組んできた女性のジェンダー規範の観点に加え、フランスの上層階級の女性たちにとっての「他者」性の問題へと考察を展開すると同時に、モノとしての人形に対する人間の精神状態の検討を進めることで、19世紀フランスの人形文化にさらに多角的な視座からアプローチした。
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19世紀フランス児童文学における「人形文学」の諸相──人形(poupee)と少女の関係性をめぐって
19世纪法国儿童文学中的“玩偶文学”面貌:玩偶(poupee)与女孩的关系
DOI:
--
发表时间:
2020
期刊:
表象遊戯学研究部会論集1
影响因子:
--
作者:
[谷口 奈々恵]
通讯作者:
谷口 奈々恵
第二帝政期フランスの少女雑誌における「人形(poupee)」──ブルジョワ女性の規範をめぐる両義性
第二帝国时期法国女孩杂志中的“娃娃(poupee)”:围绕资产阶级女性规范的模糊性
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[Yuushi Shimoda, Kiyoshi Miyata, Masaki Saigo, Youichi Tsuchiya, Chihaya Adachi, Ken Onda, 谷口 奈々恵]
通讯作者:
谷口 奈々恵
バービー人形の女性性と「モノ」性をめぐる一考察──『バービー・クロニクル』(1999)のエッセイを通じて
关于芭比娃娃的女性气质和“物体”本质的研究:通过《芭比编年史》(1999)中的一篇文章
DOI:
--
发表时间:
2020
期刊:
かたち・あそび──日本人形玩具学会会誌
影响因子:
--
作者:
[Shimoda Yuushi, Saigo Masaki, Ryu Tomohiro, Ehara Takumi, Miyata Kiyoshi, Onda Ken, 谷口 奈々恵]
通讯作者:
谷口 奈々恵
L'ambivalence de l'education des filles par les poupees : analyse des magazines de poupees au Second Empire
幼崽教育的矛盾心理:分析第二帝国幼崽杂志
DOI:
--
发表时间:
2021
期刊:
影响因子:
--
作者:
[西郷将生, 宮田潔志, 中野谷一, 安達千波矢, 恩田健, Nanae Taniguchi]
通讯作者:
Nanae Taniguchi
Race et poupee : les representations de l’alterite dans la culture enfantine sous le Second Empire
种族与后代:第二帝国文化中的另类文化的表现
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[Masaki Saigo, Kiyoshi Miyata, Hajime Nakanotani, Chihaya Adachi, Ken Onda, Sadaf Taimur, Nanae Taniguchi]
通讯作者:
Nanae Taniguchi
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