トニ・モリスン文学における物質の研究――マテリアル・エコクリティシズムの観点から
トニ・モリスン文学における物質の研究――マテリアル・エコクリティシズムの観点から
批准号:
19J10482
负责人:
長尾 麻由季
金额:
$1.34万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2019
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2019-04-25 至 2021-03-31
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英文摘要
本研究の目的は、マテリアル・エコクリティシズムの観点からトニ・モリスンの文学を体系的に読み解き、モリスンの環境思想に対する研究の射程を広げ、その理論的位置づけを明らかにすることだった。当該年度は、トニ・モリスンの第1作『青い眼が欲しい』(The Bluest Eye 1970)から最新作『神よ、あの子を守り給え』(God Help the Child 2015)までの全11作品を研究対象としてテクスト分析を行い、各作品に描かれる具体的な物質を抽出して、与えられている意味を共時的に考察する作業を行った。その結果、トニ・モリスンの作品における物質が複数の意味や機能・効果を重ね書きされているさまを明らかにすることができた。例えば、『神よ、あの子を守り給え』におけるイヤリングは、登場人物の1人であるブライドの身体を商品化させるために一役買うと同時に、ジェリの忠告を無視することで男性の視点に基づく美の定義に抵抗する意味を持つ。さらに、ブライド、クイーン、ソフィアなど、複数の登場人物を関連付けながら、母娘関係のテーマを多層的に描くための装置として機能している。さらに、トニ・モリスンの作品に描かれる物質が人間によって定められた意図や目的の範疇を超えて作用するさまや、人間が付与した意味からずれていくさまが描かれていることが明らかになった。『パラダイス』(Paradise 1997)における料理釜は、黒人たちが築き上げた楽園の象徴であったにもかかわらず、その楽園が生まれた背景にある排他性を皮肉にも再生産してしまう。また、モーガン家の祖先が後世に伝承すべく料理釜に刻み込んだ言葉は、その意図に反して世代間の乖離を露呈させ、共同体を分離させる働きを持つ。本研究の成果の一部をまとめ、日本アメリカ文学会(ALSJ)および黒人研究学会(JBSA)において口頭発表を行った。
期刊论文(1)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
ダーク・エコロジーに遊ぶ――God Help the ChildにおけるToni Morrisonの環境思想
玩弄黑暗生态:托妮·莫里森在《上帝帮助孩子》中的环境哲学
DOI:
--
发表时间:
2019
期刊:
影响因子:
--
作者:
[井口 亜希子, 原島 恒夫, 田原 敬, 鳥羽加寿也, 井口亜希子・田原敬・原島恒夫, 原将吾, 長尾麻由季]
通讯作者:
長尾麻由季