日本の「新しい波」による「主体」を表現する映画の考察―映画の物語論的分析を通して
日本の「新しい波」による「主体」を表現する映画の考察―映画の物語論的分析を通して
批准号:
19J10434
负责人:
大谷 晋平
金额:
$1.34万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2019
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2019-04-25 至 2021-03-31
中文摘要
今年度は、主に大島渚のドキュメンタリストとしての部分に注目し、1960年前後の松本俊夫との協働を通して、彼が一つのショットで作家が現実を批評する方法を模索した点を明らかにした。特に『日本の夜と霧』のラストシーンでは、日本共産党幹部という設定の役の人物が演説を始めるときにカメラが彼を無視し、物語世界外の音楽によって彼の演説をかき消す演出をしており、松本はその演出について「大島の主体的な表現」だと評した。即ち、この演出は現実の大島渚が映画を通して日本共産党を批判したと理解できるが、実際は映画作品内における映像表現であり、映画を見た観客は必ずしも作家(大島渚)による態度表明だと理解するわけでは無いだろう。特に、大島の存在や作品を知らない観客であれば、その演出を直ちに現実の大島渚に結びつけることはないと考えられる。つまり、松本はこの演出を現実の大島と結びつけることによって、「現実を批評する大島渚」というイメージを構築しているのである。言い換えれば、特定の映画表現を際立たせることによって、それを映画作品を制作する「主体」のイメージ構築に結びつける作品読解を促しているのである。もちろんこれは当時の日本の「新しい波」に見られた特徴で、特に羽仁進や勅使河原宏などのドキュメンタリストはカメラを作家(監督)の視点と結びつけるような言説を残しており、そのような読解を促して作家の現実に対する態度の表明として映画を機能させようとしたのである。すなわち日本の「新しい波」における作家主義とは、映画を制作する「主体」構築という読解の制度を作ることであり、その上で、現実を批評しようとしたのである。本研究によって、「作家」というイメージ構築として作家主義を再考する糸口を見出したと言えるだろう。
英文摘要
今年度は、主に大島渚のドキュメンタリストとしての部分に注目し、1960年前後の松本俊夫との協働を通して、彼が一つのショットで作家が現実を批評する方法を模索した点を明らかにした。特に『日本の夜と霧』のラストシーンでは、日本共産党幹部という設定の役の人物が演説を始めるときにカメラが彼を無視し、物語世界外の音楽によって彼の演説をかき消す演出をしており、松本はその演出について「大島の主体的な表現」だと評した。即ち、この演出は現実の大島渚が映画を通して日本共産党を批判したと理解できるが、実際は映画作品内における映像表現であり、映画を見た観客は必ずしも作家(大島渚)による態度表明だと理解するわけでは無いだろう。特に、大島の存在や作品を知らない観客であれば、その演出を直ちに現実の大島渚に結びつけることはないと考えられる。つまり、松本はこの演出を現実の大島と結びつけることによって、「現実を批評する大島渚」というイメージを構築しているのである。言い換えれば、特定の映画表現を際立たせることによって、それを映画作品を制作する「主体」のイメージ構築に結びつける作品読解を促しているのである。もちろんこれは当時の日本の「新しい波」に見られた特徴で、特に羽仁進や勅使河原宏などのドキュメンタリストはカメラを作家(監督)の視点と結びつけるような言説を残しており、そのような読解を促して作家の現実に対する態度の表明として映画を機能させようとしたのである。すなわち日本の「新しい波」における作家主義とは、映画を制作する「主体」構築という読解の制度を作ることであり、その上で、現実を批評しようとしたのである。本研究によって、「作家」というイメージ構築として作家主義を再考する糸口を見出したと言えるだろう。
期刊论文(3)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
神戸大学国際文化学研究推進センター
神户大学国际文化研究振兴中心
DOI:
--
发表时间:
期刊:
影响因子:
--
作者:
[]
通讯作者:
戦中・戦後日本映画における連続性批判の考察 日本の「新しい波」による批評を切り口に
从日本“新浪潮”批评的角度看日本电影战时和战后的连续性批评
DOI:
--
发表时间:
2020
期刊:
次世代人文社会研究第16号
影响因子:
--
作者:
[A. Noboriguchi, T. Nagao, M. Kajisawa, Y. Matsuoka, Y. Terashima, T. Yamashita, M. Niida, S. Koyama, N. Kodai, M. Onoue, Y. Ueda, Y. Toba, Y. Komiyama, Y. Chang, T. Kawaguchi, 石田尚義, 梅井 正彦, 大谷晋平]
通讯作者:
大谷晋平
大島渚による「大島渚」の表現 :『忘れられた皇軍』分析
大岛渚的“大岛渚”表达:对“被遗忘的皇军”的分析
DOI:
--
发表时间:
2019
期刊:
影响因子:
--
作者:
[登口暁, 長尾透, 鳥羽儀樹, 大西匡光,下清水慎, 大谷晋平]
通讯作者:
大谷晋平
終戦後の統制された「動き」を愉しむ娯楽文化:占領期野球映画の考察
-
批准号:23K12062
-
项目类别:Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
-
资助金额:$2.83万
-
财政年份:2023
-
负责人:大谷 晋平
-
依托单位: