テトラフルオロエチレンの選択的三量化反応の開発
テトラフルオロエチレンの選択的三量化反応の開発
批准号:
19J12657
负责人:
村山 駿輝
金额:
$1.34万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2019
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2019-04-25 至 2021-03-31
中文摘要
本研究では,メタラサイクルを経るオレフィンのオリゴマー化反応をテトラフルオロエチレン(TFE)の選択的三量化に応用することを検討した.メタラサイクルを経るTFEの三量化反応において障壁となるのは,金属原子と2分子のTFEからなる五員環生成物が安定で,もう1分子のTFEの挿入が進行しないことである.五員環生成物の安定性は,金属からα炭素-フッ素結合の反結合性軌道への電子供与による強固な金属-α炭素結合に起因すると考えられる.五員環生成物の不安定化に向け金属上の電子密度を下げるため,当初は電子求引性のピンサー型錯体を用いる計画としていたが,計画を変更し,金属-α炭素結合を弱めるため,強いσ供与性部位を持つPBPピンサー型ロジウム錯体を用いて検討した.DFT計算により検討したところ,配位子のリン原子上にt-ブチル基を持つ場合は,1分子のTFEの配位のみが進行し,イソプロピル基を持つ場合は,五員環の形成が進行する可能性があるが,3分子目のTFEの配位の活性化障壁が高いことがわかった.一方,一級アルキル基を持つ場合では,3分子目のTFEの配位・挿入が進行し,七員環生成物を与える可能性があることがわかった.続いて,リン原子上にt-ブチル基・イソプロピル基を持つ錯体とTFEとの反応性を検討した.DFT計算により示唆された通り,t-ブチル基を持つ錯体の場合,1分子のTFEが配位した錯体が,イソプロピル基を持つ錯体の場合,ロジウム原子と2分子のTFEからなる五員環の生成が確認された.五員環生成物の構造は単結晶X線構造解析により同定された.以上の通り,TFEの三量化反応には至らなかったものの,過去に例のないピンサー型配位子を有する五員環生成物の合成および構造同定に成功した.またDFT計算においては,3分子のTFEと反応し七員環生成物を与え得る錯体群を見出した.
英文摘要
本研究では,メタラサイクルを経るオレフィンのオリゴマー化反応をテトラフルオロエチレン(TFE)の選択的三量化に応用することを検討した.メタラサイクルを経るTFEの三量化反応において障壁となるのは,金属原子と2分子のTFEからなる五員環生成物が安定で,もう1分子のTFEの挿入が進行しないことである.五員環生成物の安定性は,金属からα炭素-フッ素結合の反結合性軌道への電子供与による強固な金属-α炭素結合に起因すると考えられる.五員環生成物の不安定化に向け金属上の電子密度を下げるため,当初は電子求引性のピンサー型錯体を用いる計画としていたが,計画を変更し,金属-α炭素結合を弱めるため,強いσ供与性部位を持つPBPピンサー型ロジウム錯体を用いて検討した.DFT計算により検討したところ,配位子のリン原子上にt-ブチル基を持つ場合は,1分子のTFEの配位のみが進行し,イソプロピル基を持つ場合は,五員環の形成が進行する可能性があるが,3分子目のTFEの配位の活性化障壁が高いことがわかった.一方,一級アルキル基を持つ場合では,3分子目のTFEの配位・挿入が進行し,七員環生成物を与える可能性があることがわかった.続いて,リン原子上にt-ブチル基・イソプロピル基を持つ錯体とTFEとの反応性を検討した.DFT計算により示唆された通り,t-ブチル基を持つ錯体の場合,1分子のTFEが配位した錯体が,イソプロピル基を持つ錯体の場合,ロジウム原子と2分子のTFEからなる五員環の生成が確認された.五員環生成物の構造は単結晶X線構造解析により同定された.以上の通り,TFEの三量化反応には至らなかったものの,過去に例のないピンサー型配位子を有する五員環生成物の合成および構造同定に成功した.またDFT計算においては,3分子のTFEと反応し七員環生成物を与え得る錯体群を見出した.
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