分子シミュレーションで探る化学蓄熱の分子論的な律速過程と反応性向上への道
分子シミュレーションで探る化学蓄熱の分子論的な律速過程と反応性向上への道
批准号:
21K14723
负责人:
稲垣 泰一
金额:
$2.75万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
财政年份:
2021
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2021-04-01 至 2025-03-31
中文摘要
本課題は、化学蓄熱材として代表的な固気化学反応の構造変化およびその律速過程を分子レベルで明らかにし、実用化への課題となっている低い反応性を改善する方法の提案を目指している。本年度は、酸化マグネシウム(MgO)の水和反応の分子シミュレーションを実施した。前年度で問題となったモンテカルロ法の高い棄却率は、カノニカルアンサンブルに基づくサンプリングの条件を外し、構造生成に注力することで回避した。また、モデルポテンシャル(ReaxFF)の精度の問題は部分的に電子状態計算(DFTB法、DFT法)を取り入れることで解決した。シミュレーションの結果、発熱的に起こりうる表面Mgの脱離過程が水和反応の初期過程として重要であることがわかった。特に、界面水分子のOH結合の解離により生じた表面OH基を周囲に持つMgが脱離しやすいことが示された。続く反応において、脱離したMgが元の表面の上に新しいMgO格子構造を構築する様子が観察されたが、その過程で界面領域に水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)結晶の核と見られる構造が確認された。この段階では表面MgOの約4割が脱離しており、核構造は最大でMg4原子が含まれていた。しかし、生成消滅を繰り返していたため未だ安定な構造はMgO構造であり、臨界核には至っていないことがわかる。Mgの脱離、核の生成消滅とともにMgO固体深部へ水素が侵入していく様子も観察されたが、その深部水素が存在する領域はほぼ完全なMgO格子構造を保っていた。より深部のMgO格子構造が壊れMg(OH)2核の生成に寄与するには、更なる界面の構造変化が必要であり、局所的に深部で核が形成されることは起こりにくいことが示唆された。また、昨年度より並行して開始した界面構造の解析のための分光計算では、固体表面の水薄膜と水滴に対してラマンスペクトルを計算し、界面水の特徴的なスペクトル形状を明らかにした。
英文摘要
本課題は、化学蓄熱材として代表的な固気化学反応の構造変化およびその律速過程を分子レベルで明らかにし、実用化への課題となっている低い反応性を改善する方法の提案を目指している。本年度は、酸化マグネシウム(MgO)の水和反応の分子シミュレーションを実施した。前年度で問題となったモンテカルロ法の高い棄却率は、カノニカルアンサンブルに基づくサンプリングの条件を外し、構造生成に注力することで回避した。また、モデルポテンシャル(ReaxFF)の精度の問題は部分的に電子状態計算(DFTB法、DFT法)を取り入れることで解決した。シミュレーションの結果、発熱的に起こりうる表面Mgの脱離過程が水和反応の初期過程として重要であることがわかった。特に、界面水分子のOH結合の解離により生じた表面OH基を周囲に持つMgが脱離しやすいことが示された。続く反応において、脱離したMgが元の表面の上に新しいMgO格子構造を構築する様子が観察されたが、その過程で界面領域に水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)結晶の核と見られる構造が確認された。この段階では表面MgOの約4割が脱離しており、核構造は最大でMg4原子が含まれていた。しかし、生成消滅を繰り返していたため未だ安定な構造はMgO構造であり、臨界核には至っていないことがわかる。Mgの脱離、核の生成消滅とともにMgO固体深部へ水素が侵入していく様子も観察されたが、その深部水素が存在する領域はほぼ完全なMgO格子構造を保っていた。より深部のMgO格子構造が壊れMg(OH)2核の生成に寄与するには、更なる界面の構造変化が必要であり、局所的に深部で核が形成されることは起こりにくいことが示唆された。また、昨年度より並行して開始した界面構造の解析のための分光計算では、固体表面の水薄膜と水滴に対してラマンスペクトルを計算し、界面水の特徴的なスペクトル形状を明らかにした。
期刊论文(6)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
登录
查看更多内容
酸化マグネシウムの水和初期過程に関する理論計算
氧化镁初始水化过程的理论计算
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[稲垣泰一, 畑中美穂]
通讯作者:
畑中美穂
ポテンシャルスケーリング・ハイブリッドモンテカルロ法の開発と今後の展望
潜在标度混合蒙特卡罗方法的发展及未来展望
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[稲垣泰一, 畑中美穂, 斉藤真司, 稲垣泰一]
通讯作者:
稲垣泰一
界面水系の低波数および緩和モードに関するラマン分光計算
界面水系统低波数和弛豫模式的拉曼光谱计算
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[稲垣泰一, 畑中美穂, 斉藤真司]
通讯作者:
斉藤真司
ポテンシャルスケーリング-ハミルトニアンモンテカルロ法: レアイベントと緩和過程への適用
势标度-哈密尔顿蒙特卡罗方法:在稀有事件和松弛过程中的应用
DOI:
--
发表时间:
2021
期刊:
影响因子:
--
作者:
[稲垣泰一, 斉藤真司]
通讯作者:
斉藤真司
Hybrid Monte Carlo method with potential scaling for sampling from the canonical multimodal distribution and imitating the relaxation process
具有潜在缩放功能的混合蒙特卡罗方法,用于从规范多模态分布中采样并模拟松弛过程
DOI:
10.1063/5.0082378
发表时间:
2022
期刊:
The Journal of Chemical Physics
影响因子:
--
作者:
[INAGAKI Taichi, SAITO Shinji]
通讯作者:
SAITO Shinji
共 6 条
中世芸能説語の源流とその伝承に関する研究
-
批准号:X00210----171091
-
项目类别:Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
-
资助金额:$0.18万
-
财政年份:1976
-
负责人:稲垣 泰一
-
依托单位: