近代日本の蚕種貯蔵風穴に関する基礎的研究
近代日本の蚕種貯蔵風穴に関する基礎的研究
批准号:
22904007
负责人:
飯塚 聡
金额:
$0.33万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2010
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2010 至 --
中文摘要
風穴とは、天然の冷気が噴出する自然の洞穴などのことを指すが、近代の日本ではこれを蚕糸業発展のために大いに利用した。国家の近代化を推進するため、政府は外貨獲得の重要な原資として輸出生糸の増産をはかり、広く全国で養蚕が行われるようになる。明治・大正期を中心に天然の冷却装置である風穴を利用した蚕種の貯蔵も全国各地で盛行し、養蚕の多回育化を実現し、生糸の原料繭の増産を支えた。本研究は、機械式冷蔵施設が一般化する昭和初期まで重要な役割を果たした近代産業遺産の蚕種貯蔵風穴に着目し、その創設の背景、歴史、分布、構造、制度、運営形態、地域的特色等について検討を試みようとしたものである。研究に際しては、特に幕末明治初期以来の創始の地にして全国の風穴の半数近くを擁した長野県、後発ながら大規模風穴を設置した山梨県・群馬県、そして長野・群馬とともに全国屈指の養蚕・蚕種製造地であった福島県など各地の諸例を取り上げながら検討を進めた。その概要は以下のとおりである。いち早く蚕種貯蔵風穴の本格利用が開始された長野県では、蚕種製造の盛んな地区を中心に、近接する風穴を地域の有力者らが個別に経営する形で展開した。やがて生糸輸出量増大に際し養蚕の多回育化、夏秋蚕の繭の品質向上が求められるようになり、二化性蚕の生育の安定性の確立及び繭・生糸の品質向上の取り組みが風穴施設を利用して進められるようになった。こうして長野県内では各地で蚕種貯蔵風穴が増加する一方で、設備不十分なものも増える弊害も生じた。明治30年代後半になると、蚕糸技術研究の核として発展した東京蚕業講習所の技師が関与した最新の風穴が、山梨・群馬など東京に近い周辺県で設置されるようになった。長く全国の蚕種製造をリードしてきた長野県はここに風穴取締規則を定め、県内風穴施設と蚕品種の質の向上に取り組む。山梨県富士風穴や群馬県荒船風穴で貯蔵量100万枚に達する大規模風穴が中央の技術及び人的支援を導入して設置され、鉄道・電信設備を駆使した近代的経営が行われた。また、福島県の伊達風穴など地域の組合の設立によるものも設置された。こうして明治末大正期には伝統県長野と、後発の最新技術導入県との間で風穴の設備向上と大規模化を競う状況が展開した。その後、一代交雑種の開発や機械式冷蔵庫の普及により、山間僻地に立地する難点をかかえた蚕種貯蔵風穴は、昭和初期にはその歴史的役割を終える。
英文摘要
風穴とは、天然の冷気が噴出する自然の洞穴などのことを指すが、近代の日本ではこれを蚕糸業発展のために大いに利用した。国家の近代化を推進するため、政府は外貨獲得の重要な原資として輸出生糸の増産をはかり、広く全国で養蚕が行われるようになる。明治・大正期を中心に天然の冷却装置である風穴を利用した蚕種の貯蔵も全国各地で盛行し、養蚕の多回育化を実現し、生糸の原料繭の増産を支えた。本研究は、機械式冷蔵施設が一般化する昭和初期まで重要な役割を果たした近代産業遺産の蚕種貯蔵風穴に着目し、その創設の背景、歴史、分布、構造、制度、運営形態、地域的特色等について検討を試みようとしたものである。研究に際しては、特に幕末明治初期以来の創始の地にして全国の風穴の半数近くを擁した長野県、後発ながら大規模風穴を設置した山梨県・群馬県、そして長野・群馬とともに全国屈指の養蚕・蚕種製造地であった福島県など各地の諸例を取り上げながら検討を進めた。その概要は以下のとおりである。いち早く蚕種貯蔵風穴の本格利用が開始された長野県では、蚕種製造の盛んな地区を中心に、近接する風穴を地域の有力者らが個別に経営する形で展開した。やがて生糸輸出量増大に際し養蚕の多回育化、夏秋蚕の繭の品質向上が求められるようになり、二化性蚕の生育の安定性の確立及び繭・生糸の品質向上の取り組みが風穴施設を利用して進められるようになった。こうして長野県内では各地で蚕種貯蔵風穴が増加する一方で、設備不十分なものも増える弊害も生じた。明治30年代後半になると、蚕糸技術研究の核として発展した東京蚕業講習所の技師が関与した最新の風穴が、山梨・群馬など東京に近い周辺県で設置されるようになった。長く全国の蚕種製造をリードしてきた長野県はここに風穴取締規則を定め、県内風穴施設と蚕品種の質の向上に取り組む。山梨県富士風穴や群馬県荒船風穴で貯蔵量100万枚に達する大規模風穴が中央の技術及び人的支援を導入して設置され、鉄道・電信設備を駆使した近代的経営が行われた。また、福島県の伊達風穴など地域の組合の設立によるものも設置された。こうして明治末大正期には伝統県長野と、後発の最新技術導入県との間で風穴の設備向上と大規模化を競う状況が展開した。その後、一代交雑種の開発や機械式冷蔵庫の普及により、山間僻地に立地する難点をかかえた蚕種貯蔵風穴は、昭和初期にはその歴史的役割を終える。
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专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
家司・院司と受領-その荘園・国衙領支配のあり方-
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批准号:13904008
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项目类别:Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (B)
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资助金额:$0.15万
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财政年份:2001
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负责人:飯塚 聡
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依托单位:
荘園の設立・選定の諸条件に関する研究
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批准号:11904008
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项目类别:Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (B)
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资助金额:$0.15万
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财政年份:1999
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负责人:飯塚 聡
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依托单位: