血栓物質の実態を捉える マーチウス・スカーレットブルー染色の法医学的応用
血栓物質の実態を捉える マーチウス・スカーレットブルー染色の法医学的応用
批准号:
26933012
负责人:
堀岡 希衣
金额:
$0.26万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2014
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2014-04-01 至 2015-03-31
中文摘要
法医診断のための病理組織検査において、その物質が生前に生成されたものなのか、あるいは死後に生成されたものなのかを鑑別することが重要であるが、死後変化の影響によって鑑別が困難な場合が認められる。マーチウス・スカーレットブルー染色(MSB染色)は、(1)フィブリンの生成時期によって染色色調が異なり血栓塞栓子の生成時期の推測が可能である(2)フィブリン成分と膠原線維の鑑別が可能である(3)フィブリンと赤血球や血小板が染め分けられる、という特徴があることから、法医病理組織検査におけるMSB染色の有用性を検討した。原法のMSB染色プロトコールで染色を施行したが、死後変化の進行がみられる法医解剖検体では染色性が不良であったため、法医解剖検体に適した染色条件を検討した。その結果、3%重クロム酸カリウムの再固定を追加し、小分子色素の1%マーチウス黄液に2分、中間分子色素の1%ポンソーキシリジン・酸フクシン液に12分、大分子色素の1%メチル青に3分液浸し、分別剤の1%リンタングステン酸に3分液浸する方法に変更したところ、組織の共染が改善され、コントラストが良好な標本が作成できた。この染色プロトコールが、法医解剖検体に最も適したMSB染色法であると考えられた。改良したMSB染色法で血栓塞栓子と死後凝血塊の染色を施行すると、両者で形態や染色性が異なり、これらの物質が生前あるいは死後に生成されたのかを鑑別するのに有用であると考えられた。また、標本中のフィブリンや膠原線維、血小板を明確に染め分けられることから、血栓形成時期の推定が可能であった。また播種性血管内凝固症候群(DIC)において、腎糸球体内のフィブリン血栓と死後変化としての溶血赤血球塊を明確に染め分けることが可能であった。以上の結果から、MSB染色は法医病理組織検査に有用な染色法であり、法医診断の一助となり得ることが示唆された。
英文摘要
法医診断のための病理組織検査において、その物質が生前に生成されたものなのか、あるいは死後に生成されたものなのかを鑑別することが重要であるが、死後変化の影響によって鑑別が困難な場合が認められる。マーチウス・スカーレットブルー染色(MSB染色)は、(1)フィブリンの生成時期によって染色色調が異なり血栓塞栓子の生成時期の推測が可能である(2)フィブリン成分と膠原線維の鑑別が可能である(3)フィブリンと赤血球や血小板が染め分けられる、という特徴があることから、法医病理組織検査におけるMSB染色の有用性を検討した。原法のMSB染色プロトコールで染色を施行したが、死後変化の進行がみられる法医解剖検体では染色性が不良であったため、法医解剖検体に適した染色条件を検討した。その結果、3%重クロム酸カリウムの再固定を追加し、小分子色素の1%マーチウス黄液に2分、中間分子色素の1%ポンソーキシリジン・酸フクシン液に12分、大分子色素の1%メチル青に3分液浸し、分別剤の1%リンタングステン酸に3分液浸する方法に変更したところ、組織の共染が改善され、コントラストが良好な標本が作成できた。この染色プロトコールが、法医解剖検体に最も適したMSB染色法であると考えられた。改良したMSB染色法で血栓塞栓子と死後凝血塊の染色を施行すると、両者で形態や染色性が異なり、これらの物質が生前あるいは死後に生成されたのかを鑑別するのに有用であると考えられた。また、標本中のフィブリンや膠原線維、血小板を明確に染め分けられることから、血栓形成時期の推定が可能であった。また播種性血管内凝固症候群(DIC)において、腎糸球体内のフィブリン血栓と死後変化としての溶血赤血球塊を明確に染め分けることが可能であった。以上の結果から、MSB染色は法医病理組織検査に有用な染色法であり、法医診断の一助となり得ることが示唆された。
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