近代オスマン帝国における諷刺出版と西洋文化
近代オスマン帝国における諷刺出版と西洋文化
批准号:
22KJ3005
负责人:
森田 健斗
金额:
$1.6万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2023
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2023-03-08 至 2025-03-31
中文摘要
本研究は、19世紀後半のオスマン帝国において誕生した新しいメディアである新聞の社会的意義を論じることを目的とし、その発行人としてもっとも著名なギリシア正教徒テオドル・カサプに注目するものである。その手段として、かれの出版した『ディオゲネス(Diyojen)』、『鈴持ち飛脚』、そして『幻灯(Hayal)』といった諸諷刺新聞のテクストを検討した。まず、同時代に交流しつつあった政治新聞とは違うかたちで「道徳の改善」を目指すことを目標としたカサプの諷刺新聞における実践を検討するために、新聞内で盛んに議論された話題のうちの一つである「演劇」に焦点を当てた。そこでのかれの論調をまとめると、カサプが高く評価した演劇とは、「トルコ語」かつ「道徳を改善する」ものであり、その例としてオルタオユヌという民衆劇を想定していたことがわかった。このオルタオユヌについて、西洋事情にも明るい当時のほかの新知識人層は概してそれを「無教養」と見なしていたが、カサプはむしろ新聞内で積極的に活用するに至った。その例として挙げられるのが、『ハヤール』内で連載したモリエールの演劇の翻訳である。カサプはこの翻訳のなかで、原作から登場人物や語彙を、フランス文化に即したものからオスマン風に改変しようと試みた。この形式の翻訳でもまた、カサプがこだわりをもって論じてきたオルタオユヌが意識されていた。一連の分析をつうじて、カサプの諷刺新聞での実践は西洋文化とオスマン文化という異質なものをつなぐ試みであり、いわゆる一般的な意味における諷刺から逸脱した「啓蒙」かつ「読者層の拡大」まで射程に入れたものだったのではないかと結論づけた。
英文摘要
本研究は、19世紀後半のオスマン帝国において誕生した新しいメディアである新聞の社会的意義を論じることを目的とし、その発行人としてもっとも著名なギリシア正教徒テオドル・カサプに注目するものである。その手段として、かれの出版した『ディオゲネス(Diyojen)』、『鈴持ち飛脚』、そして『幻灯(Hayal)』といった諸諷刺新聞のテクストを検討した。まず、同時代に交流しつつあった政治新聞とは違うかたちで「道徳の改善」を目指すことを目標としたカサプの諷刺新聞における実践を検討するために、新聞内で盛んに議論された話題のうちの一つである「演劇」に焦点を当てた。そこでのかれの論調をまとめると、カサプが高く評価した演劇とは、「トルコ語」かつ「道徳を改善する」ものであり、その例としてオルタオユヌという民衆劇を想定していたことがわかった。このオルタオユヌについて、西洋事情にも明るい当時のほかの新知識人層は概してそれを「無教養」と見なしていたが、カサプはむしろ新聞内で積極的に活用するに至った。その例として挙げられるのが、『ハヤール』内で連載したモリエールの演劇の翻訳である。カサプはこの翻訳のなかで、原作から登場人物や語彙を、フランス文化に即したものからオスマン風に改変しようと試みた。この形式の翻訳でもまた、カサプがこだわりをもって論じてきたオルタオユヌが意識されていた。一連の分析をつうじて、カサプの諷刺新聞での実践は西洋文化とオスマン文化という異質なものをつなぐ試みであり、いわゆる一般的な意味における諷刺から逸脱した「啓蒙」かつ「読者層の拡大」まで射程に入れたものだったのではないかと結論づけた。
期刊论文(2)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
近代オスマン帝国の諷刺出版における西洋演劇とその翻訳:出版人テオドル・カサプの実践から
西方戏剧及其在现代奥斯曼帝国讽刺出版中的翻译——来自出版商特奥多·卡萨普的实践
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
文化史学
影响因子:
--
作者:
[松田 大, 稲崎 健太朗, 一色 駿輔, 松村 恵理子, 千田 二郎, 藤本慎也・立木茂雄, 藤本慎也・立木茂雄, 森田健斗]
通讯作者:
森田健斗
近代オスマン帝国における西洋文化の翻訳:諷刺出版人テオドル・カサプを事例に
现代奥斯曼帝国西方文化的翻译:讽刺出版商特奥多·卡萨普的案例研究
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
影响因子:
--
作者:
[松田 大, 稲崎 健太朗, 一色 駿輔, 松村 恵理子, 千田 二郎, 藤本慎也・立木茂雄, 藤本慎也・立木茂雄, 森田健斗, 森田健斗]
通讯作者:
森田健斗
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