近代家族と婚外子差別の同時的成立
近代家族と婚外子差別の同時的成立
批准号:
03J06764
负责人:
橋本 真琴
金额:
$1.47万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2003
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2003 至 2004
中文摘要
今年度は昨年に引き続き、法的制度の是正を求める社会運動や婚外子当事者への調査および、文献調査を行った。その結果、本研究の計画全般におよぶ重要な変化が起きていることが明らかになった。変化は主に以下の二点である。α)「社会」という観念における各世代間の断絶少なくとも団塊世代以上の世代においては、自治体・企業等を超えた観念としての「社会(society)」というものが存在しており、これを前提とした「差別」という感覚が強く共有されている。従って、各種スティグマを持つ人々による弱者としてのカテゴリーの意識化と利害関係の再確認が社会運動の形で積極的に継続されている。「婚外子」というカテゴリーを用いた反差別運動も同様である。だが若年層においては、観念としての「社会(society)」自体が溶解しつつあり、ひいては「被差別」を公の場で表明することそのものへの違和感・抵抗感が、醸成されつつある。各々は、経験する問題を、個人的・心理的な意味合いの強い「トラウマ」という観念に結びつける傾向が見られる。β)「被差別」なき「トラウマ」世代における強者としてのマイノリティでは、従来的マイノリティに該当する若年層は、より他の人々に親和的な存在となったのか。申請者は逆の帰結を発見した。「被差別」体験は、「社会」を志向する人々に担われていたがゆえに、むしろ他者との対話ひいては批判に対して開かれており、それ故、ある種の脆弱さをも兼ね備えていた(ex.裁判闘争における敗訴など)。だが皮肉なことに、問題を「トラウマ」化する人々においては、その体験は絶対的なものとされ、異議を受けつけぬ「自己愛的」なものとなる傾向がみられる。結果、一部の婚外子当事者においては、あらゆる批判から超越する「トラウマ」の保持者・ライフストーリーの語り手として、ローカルな人間関係の中の強者となりつつあるように思われる。以上の結果と関連し、申請者が新たに開拓してきた若年層の当事者は、集会・裁判という形での交流を希望せず、定型的アンケートによる調査・分析に対して極めて懐疑的である。従って申請者は各当事者に「婚外子」というテーマのもと自由な表現を行ってもらうことにし、ウェブサイト上にページを開設するための作業を行っている(近日アップ予定)。来年度は当該データを基に活字化を行う予定である。
英文摘要
今年度は昨年に引き続き、法的制度の是正を求める社会運動や婚外子当事者への調査および、文献調査を行った。その結果、本研究の計画全般におよぶ重要な変化が起きていることが明らかになった。変化は主に以下の二点である。α)「社会」という観念における各世代間の断絶少なくとも団塊世代以上の世代においては、自治体・企業等を超えた観念としての「社会(society)」というものが存在しており、これを前提とした「差別」という感覚が強く共有されている。従って、各種スティグマを持つ人々による弱者としてのカテゴリーの意識化と利害関係の再確認が社会運動の形で積極的に継続されている。「婚外子」というカテゴリーを用いた反差別運動も同様である。だが若年層においては、観念としての「社会(society)」自体が溶解しつつあり、ひいては「被差別」を公の場で表明することそのものへの違和感・抵抗感が、醸成されつつある。各々は、経験する問題を、個人的・心理的な意味合いの強い「トラウマ」という観念に結びつける傾向が見られる。β)「被差別」なき「トラウマ」世代における強者としてのマイノリティでは、従来的マイノリティに該当する若年層は、より他の人々に親和的な存在となったのか。申請者は逆の帰結を発見した。「被差別」体験は、「社会」を志向する人々に担われていたがゆえに、むしろ他者との対話ひいては批判に対して開かれており、それ故、ある種の脆弱さをも兼ね備えていた(ex.裁判闘争における敗訴など)。だが皮肉なことに、問題を「トラウマ」化する人々においては、その体験は絶対的なものとされ、異議を受けつけぬ「自己愛的」なものとなる傾向がみられる。結果、一部の婚外子当事者においては、あらゆる批判から超越する「トラウマ」の保持者・ライフストーリーの語り手として、ローカルな人間関係の中の強者となりつつあるように思われる。以上の結果と関連し、申請者が新たに開拓してきた若年層の当事者は、集会・裁判という形での交流を希望せず、定型的アンケートによる調査・分析に対して極めて懐疑的である。従って申請者は各当事者に「婚外子」というテーマのもと自由な表現を行ってもらうことにし、ウェブサイト上にページを開設するための作業を行っている(近日アップ予定)。来年度は当該データを基に活字化を行う予定である。
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