海洋生物の幼生発生様式に与える水圧の影響に関する研究
海洋生物の幼生発生様式に与える水圧の影響に関する研究
批准号:
22770028
负责人:
PRADILLON F
金额:
$2.5万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份:
2010
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2010 至 2012
中文摘要
本研究の目的は異なる深度に生息する多毛類の発生に水圧がどのような影響を与えるのかを明らかにすることである.ヒゲムシ科多毛類は世界各地の様々な水深に分布しているため,本研究の主な対象とした.今年度はまず,動物の骨に専住するヒゲムシ科ホネクイハナムシ属多毛類を採集するために,国内の各所に着底骨基質を設置,回収した.特に南西諸島海溝においては水深275mから1000mに設置した動物骨(鯨骨,牛骨,豚骨)を回収し,500mおよび1000mに設置した基質からホネクイハナムシ類を採集した.COI遺伝子を用いたDNAバーコーディングを行った結果,各深度には異なるホネクイハナムシ類が分布し,両深度間で種の重複は確認出来なかった.今回の結果はホネクイハナムシ類の分布が水深によって規程される,すなわち水圧がこの分類群の鉛直分布に大きな影響を与えているという仮説を強く支持した.また275mからホネクイハナムシ類が採集されなかったのは,おそらく高水温(19℃)が影響しているものと推定した.これまでに実施したホネクイハナムシ類の胚発生実験において,どのような深度で採集した個体でも水温15℃以上では胚発生が正常に進行しないこととよく一致する.また今回採集した試料からは新種の可能性の高いホネクイハナムシ類も出現した.ホネクイハナムシ類の幼生の発生には成体を実験室内で良好に飼育する必要がある.従って今年度は酸素濃度,温度を中心とした飼育環境のコントロールを実施し,継続的に成体を飼育することに成功した.さらに高圧下で幼生や卵を観察するための高圧チャンバー(プロトタイプ)の使用テストを行った.このチャンバーは内容量100μLで,温度コントロールや換水が減圧なしに可能であり,チャンバー内を光学顕微鏡や蛍光顕微鏡で観察することができる.今年度はマリアナトラフ熱水噴出域より採集した多毛類の幼生を用いて,仕様の確認や使用方法のテストを行った.
英文摘要
本研究の目的は異なる深度に生息する多毛類の発生に水圧がどのような影響を与えるのかを明らかにすることである.ヒゲムシ科多毛類は世界各地の様々な水深に分布しているため,本研究の主な対象とした.今年度はまず,動物の骨に専住するヒゲムシ科ホネクイハナムシ属多毛類を採集するために,国内の各所に着底骨基質を設置,回収した.特に南西諸島海溝においては水深275mから1000mに設置した動物骨(鯨骨,牛骨,豚骨)を回収し,500mおよび1000mに設置した基質からホネクイハナムシ類を採集した.COI遺伝子を用いたDNAバーコーディングを行った結果,各深度には異なるホネクイハナムシ類が分布し,両深度間で種の重複は確認出来なかった.今回の結果はホネクイハナムシ類の分布が水深によって規程される,すなわち水圧がこの分類群の鉛直分布に大きな影響を与えているという仮説を強く支持した.また275mからホネクイハナムシ類が採集されなかったのは,おそらく高水温(19℃)が影響しているものと推定した.これまでに実施したホネクイハナムシ類の胚発生実験において,どのような深度で採集した個体でも水温15℃以上では胚発生が正常に進行しないこととよく一致する.また今回採集した試料からは新種の可能性の高いホネクイハナムシ類も出現した.ホネクイハナムシ類の幼生の発生には成体を実験室内で良好に飼育する必要がある.従って今年度は酸素濃度,温度を中心とした飼育環境のコントロールを実施し,継続的に成体を飼育することに成功した.さらに高圧下で幼生や卵を観察するための高圧チャンバー(プロトタイプ)の使用テストを行った.このチャンバーは内容量100μLで,温度コントロールや換水が減圧なしに可能であり,チャンバー内を光学顕微鏡や蛍光顕微鏡で観察することができる.今年度はマリアナトラフ熱水噴出域より採集した多毛類の幼生を用いて,仕様の確認や使用方法のテストを行った.
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