現代独仏圏の哲学的人間学とJ・マクダウェルのアリストテレス的自然主義
現代独仏圏の哲学的人間学とJ・マクダウェルのアリストテレス的自然主義
批准号:
17K02156
负责人:
音喜多 信博
金额:
$2.33万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份:
2017
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2017-04-01 至 2024-03-31
中文摘要
2022年度の研究においては、『知覚の現象学』(1945年)を中心としたメルロ=ポンティの現象学的人間学と、『心と世界』(1994年)で表明されているマクダウェルの思想とを改めて比較した。マクダウェルは『心と世界』において、人間の感性的経験がすでに概念化されているという「概念主義」の主張をおこなう際に、つぎのような人間学的な前提を抱いていた。つまり、人間は言語をもつことによってはじめて自己意識的な存在となり、同時に、自分の経験を越えた「客観的世界」という観念をもてるようになった。言語的存在である人間のみが、自分の感性的経験やその環境を外側から「自由で離れた態度」で眺めることができ、命題的態度によって自分の信念の真偽を問うことができる。そのことが可能であるためには、そもそも感性的レベルにおいて人間の経験は概念化されていて、命題の正当化に資することができるのでなければならない、というわけである。一方で、私が見るところでは、メルロ=ポンティの間主観性理論や『思考の自然誌』(2014年)におけるトマセロの比較発達心理学的研究の成果は、マクダウェルの人間学的な前提に対して疑義をつきつけるようなものとなっている。つまり、メルロ=ポンティらが主張するように、言語の獲得以前の幼児において他者のパースペクティヴの理解が始まっているとすれば、他者とは区別される原初的な「自己」の意識がすでに存在することとなるであろうし、さらに、言語によってはじめて可能となる「客観的世界」以前に、その基礎となる「間主観的世界」が異なるパースペクティヴをもつ他者との間で共有されていることになる。私は、メルロ=ポンティやトマセロの立場に立つならば、人間の感性的経験と他の動物のそれとの連続性を認めるとともに、概念主義をとらずとも両者の違いを尊重できるような理論を形成できる可能性があることを明らかにした。
英文摘要
2022年度の研究においては、『知覚の現象学』(1945年)を中心としたメルロ=ポンティの現象学的人間学と、『心と世界』(1994年)で表明されているマクダウェルの思想とを改めて比較した。マクダウェルは『心と世界』において、人間の感性的経験がすでに概念化されているという「概念主義」の主張をおこなう際に、つぎのような人間学的な前提を抱いていた。つまり、人間は言語をもつことによってはじめて自己意識的な存在となり、同時に、自分の経験を越えた「客観的世界」という観念をもてるようになった。言語的存在である人間のみが、自分の感性的経験やその環境を外側から「自由で離れた態度」で眺めることができ、命題的態度によって自分の信念の真偽を問うことができる。そのことが可能であるためには、そもそも感性的レベルにおいて人間の経験は概念化されていて、命題の正当化に資することができるのでなければならない、というわけである。一方で、私が見るところでは、メルロ=ポンティの間主観性理論や『思考の自然誌』(2014年)におけるトマセロの比較発達心理学的研究の成果は、マクダウェルの人間学的な前提に対して疑義をつきつけるようなものとなっている。つまり、メルロ=ポンティらが主張するように、言語の獲得以前の幼児において他者のパースペクティヴの理解が始まっているとすれば、他者とは区別される原初的な「自己」の意識がすでに存在することとなるであろうし、さらに、言語によってはじめて可能となる「客観的世界」以前に、その基礎となる「間主観的世界」が異なるパースペクティヴをもつ他者との間で共有されていることになる。私は、メルロ=ポンティやトマセロの立場に立つならば、人間の感性的経験と他の動物のそれとの連続性を認めるとともに、概念主義をとらずとも両者の違いを尊重できるような理論を形成できる可能性があることを明らかにした。
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主観性・受動性・間主観性--佐藤透『質的知覚論の研究--世界に彩りを取り戻すための試論--』への現象学的コメント
主观性、被动性与主体间性——佐藤彻《定性知觉理论研究——为世界恢复色彩的尝试》的现象学评论
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
MORALIA(モラリア)
影响因子:
--
作者:
[岡田聡, 野内聡 編, 田口茂他著, 音喜多信博, 森一郎, 池田喬・合田正人・志野好伸・田口茂・ほか15名, 森一郎, 音喜多信博]
通讯作者:
音喜多信博
ドレイファス/テイラー『実在論を立て直す』から見たメルロ=ポンティ現象学
从德雷福斯/泰勒的《重建现实主义》看梅洛-庞蒂现象学
DOI:
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发表时间:
2019
期刊:
フィロソフィア・イワテ
影响因子:
--
作者:
[音喜多信博]
通讯作者:
音喜多信博
ドレイファスらによるプラグマティックなメルロ=ポンティ解釈について
论德雷福斯等人对梅洛-庞蒂的实用主义解释。
DOI:
--
发表时间:
2018
期刊:
影响因子:
--
作者:
[森一郎, 音喜多信博, 森一郎, 音喜多信博, 森一郎, 音喜多信博, 森一郎, 音喜多信博]
通讯作者:
音喜多信博
メルロ=ポンティとトマセロにおける他者の志向性の理解について
理解梅洛-庞蒂和托马塞洛中他人的意向性
DOI:
--
发表时间:
2022
期刊:
現象学年報
影响因子:
--
作者:
[岡田聡, 野内聡 編, 田口茂他著, 音喜多信博]
通讯作者:
音喜多信博
マックス・シェーラー「認識と労働」におけるプラグマティズム評価
马克斯·舍勒《认知与劳动》中的实用主义评价
DOI:
--
发表时间:
2020
期刊:
アルテス・リベラレス(先行リポジトリ)
影响因子:
--
作者:
[音喜多信博]
通讯作者:
音喜多信博
共 10 条
メルロ=ポンティの身体論と哲学的人間学および認知心理学との関連
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批准号:14710006
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项目类别:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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资助金额:$2.05万
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财政年份:2002
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负责人:音喜多 信博
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依托单位:
現象学的精神病理学および精神分析学をめぐる科学論的考察
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批准号:98J01503
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项目类别:Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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资助金额:$1.02万
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财政年份:1998
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负责人:音喜多 信博
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依托单位:
海外基金