F.R.リーヴィスの文芸批評の歴史文脈化に関する研究
F.R.リーヴィスの文芸批評の歴史文脈化に関する研究
批准号:
22K00393
负责人:
石原 浩澄
金额:
$0.5万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
财政年份:
2022
资助国家:
日本
项目状态:
未结题
起止时间:
2022-04-01 至 2025-03-31
中文摘要
F.R.リーヴィスの文芸批評を活動時期の20世紀中盤という時代に位置づけて考察することを目的とした本研究の初年度にあたる2022年度においては、リーヴィスの批評活動に対する姿勢や思想と共通した特徴を有すると考えられる実存主義思想との関連について考察を行なうことを計画した。計画書にも記したように、実存主義の思想を「具体的なもの」という視点からとらえたJ.ヴァールの著述を足掛かりに検討を始めた。並行して、実存主義哲学に関する特徴を捉えていくために、M.ハイデガーの言語観に関する著作や、オルソン、マコーリーらの古典的な概説書に取り組んだ。また、バレットの実存主義批評からは、「非合理」の思想としての実存主義の特徴を捉えることができ、近代啓蒙主義批判としての実存主義運動の傾向をとらえることができた。デカルト、ヘーゲルに代表されるような近代知性の体系的な観念論を批判し、個別の生の経験に根差した具体的な生や存在の在り方に迫る思想潮流について考察をした。実存主義の特徴をまとめる作業と並行して、リーヴィスの批評言説に関する検討も継続した。独自の言語論や哲学に関する言及が比較的増えてくる後期の著作を主に考察する中で、再度リーヴィスの「批評」概念に立ち返り、その特徴をいくつかの角度から再考した。大学英文科における主流の研究方式との対比(及び批判)、批評という「価値判断」の行為を重視したこと、その背景にある英国文化論とその歴史的経緯、などの考察から、近代の所産としての科学文明や文化の大衆化、それに対する危機感の背景には、実存主義の背景にある近代合理性批判と軌を一にするものがあることを確認できた。そして、リーヴィスの提唱する「批評」活動こそは、空虚な知識のもて遊びに対抗する、生における経験という具体的な行為であるという結論を得ることができた。
英文摘要
F.R.リーヴィスの文芸批評を活動時期の20世紀中盤という時代に位置づけて考察することを目的とした本研究の初年度にあたる2022年度においては、リーヴィスの批評活動に対する姿勢や思想と共通した特徴を有すると考えられる実存主義思想との関連について考察を行なうことを計画した。計画書にも記したように、実存主義の思想を「具体的なもの」という視点からとらえたJ.ヴァールの著述を足掛かりに検討を始めた。並行して、実存主義哲学に関する特徴を捉えていくために、M.ハイデガーの言語観に関する著作や、オルソン、マコーリーらの古典的な概説書に取り組んだ。また、バレットの実存主義批評からは、「非合理」の思想としての実存主義の特徴を捉えることができ、近代啓蒙主義批判としての実存主義運動の傾向をとらえることができた。デカルト、ヘーゲルに代表されるような近代知性の体系的な観念論を批判し、個別の生の経験に根差した具体的な生や存在の在り方に迫る思想潮流について考察をした。実存主義の特徴をまとめる作業と並行して、リーヴィスの批評言説に関する検討も継続した。独自の言語論や哲学に関する言及が比較的増えてくる後期の著作を主に考察する中で、再度リーヴィスの「批評」概念に立ち返り、その特徴をいくつかの角度から再考した。大学英文科における主流の研究方式との対比(及び批判)、批評という「価値判断」の行為を重視したこと、その背景にある英国文化論とその歴史的経緯、などの考察から、近代の所産としての科学文明や文化の大衆化、それに対する危機感の背景には、実存主義の背景にある近代合理性批判と軌を一にするものがあることを確認できた。そして、リーヴィスの提唱する「批評」活動こそは、空虚な知識のもて遊びに対抗する、生における経験という具体的な行為であるという結論を得ることができた。
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