カイコは何故クワしか食べない‐イオンチャネル型味受容体による宿主認識機構の解明‐
カイコは何故クワしか食べない‐イオンチャネル型味受容体による宿主認識機構の解明‐
批准号:
19J13795
负责人:
粕渕 真由
金额:
$1.47万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2019
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2019-04-25 至 2021-03-31
中文摘要
昆虫における味受容体を介した宿主植物認識機構の解明に向けて、種々の植物中に含まれると考えられる摂食忌避物質や摂食促進物質を用いたリガンドスクリーニングを実施し、機能未知の味受容体候補分子に対するリガンドを同定した。特に摂食忌避物質受容体とそのリガンドである摂食忌避物質については、昆虫の匂い受容体と同様に多対多の関係性が示唆され、これは自然界に存在する多種類の忌避物質に対して狭食性の昆虫がどのように対応しているかを考える上で重要な知見となった。さらに本研究はこれまで暫定的に摂食忌避物質受容体クレードであるとされてきた受容体群に属する味受容体が、実際に摂食忌避物質に応答することを示した初めての報告である。また、リガンドスクリーニングにより、鱗翅目昆虫における重要な摂食促進物質であるとされるスクロースに応答する味受容体が新たに同定された。カイコガ幼虫の宿主植物であるクワ葉に含まれるmMレベルのスクロース認識に関与し得る受容体を同定したことは、昆虫生理学の基盤となる知見を提供するばかりでなく、農業分野においては受容体をターゲットとした阻害剤や作動剤の開発を通じて鱗翅目昆虫の防除への応用にも貢献できる成果であると期待される。さらにこの糖受容体に関して抗血清を利用した味受容体発現パターン検討を行った結果、中腸と呼ばれるカイコガ幼虫の消化管に受容体が発現していることが示された。体外環境としての味認識と生体恒常性維持のための体内環境認識の両方の場で働き得る糖受容体の存在を提示したことも特筆すべき成果であるといえる。
英文摘要
昆虫における味受容体を介した宿主植物認識機構の解明に向けて、種々の植物中に含まれると考えられる摂食忌避物質や摂食促進物質を用いたリガンドスクリーニングを実施し、機能未知の味受容体候補分子に対するリガンドを同定した。特に摂食忌避物質受容体とそのリガンドである摂食忌避物質については、昆虫の匂い受容体と同様に多対多の関係性が示唆され、これは自然界に存在する多種類の忌避物質に対して狭食性の昆虫がどのように対応しているかを考える上で重要な知見となった。さらに本研究はこれまで暫定的に摂食忌避物質受容体クレードであるとされてきた受容体群に属する味受容体が、実際に摂食忌避物質に応答することを示した初めての報告である。また、リガンドスクリーニングにより、鱗翅目昆虫における重要な摂食促進物質であるとされるスクロースに応答する味受容体が新たに同定された。カイコガ幼虫の宿主植物であるクワ葉に含まれるmMレベルのスクロース認識に関与し得る受容体を同定したことは、昆虫生理学の基盤となる知見を提供するばかりでなく、農業分野においては受容体をターゲットとした阻害剤や作動剤の開発を通じて鱗翅目昆虫の防除への応用にも貢献できる成果であると期待される。さらにこの糖受容体に関して抗血清を利用した味受容体発現パターン検討を行った結果、中腸と呼ばれるカイコガ幼虫の消化管に受容体が発現していることが示された。体外環境としての味認識と生体恒常性維持のための体内環境認識の両方の場で働き得る糖受容体の存在を提示したことも特筆すべき成果であるといえる。
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