マウスモデルを用いたダウン症候群関連急性巨核芽球性白血病の病態解明
マウスモデルを用いたダウン症候群関連急性巨核芽球性白血病の病態解明
批准号:
19J20503
负责人:
黒澤 修兵
金额:
$1.6万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2019
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2019-04-25 至 2022-03-31
中文摘要
ダウン症 (DS) 児の約10%は、新生児期に一過性異常骨髄増殖症 (TAM) を発症し、一旦は自然軽快するものの、その約20%が4歳までに急性巨核芽球性白血病 (DS-AMKL) を発症する。TAMおよびDS-AMKLには全例でGATA1遺伝子異常が認められ、さらにAMKLに進展した症例の約半数にはコヒーシン関連遺伝子の変異がみられ、多段階の遺伝子変異獲得が発症に寄与していると考えられる。本研究では病態の形成に重要であると考えられるGATA1遺伝子変異と、コヒーシン関連遺伝子であるSTAG2遺伝子変異との関連について着目し、GATA1s変異ノックインマウスとSTAG2ノックアウト(STAG2KO)マウスを交配して移植実験を行った。興味深いことに、GATA1s/STAG2KO細胞を移植したマウスは白血球減少、貧血、血小板減少を呈し、骨髄と脾臓で赤芽球の減少や形態異常を伴う巨核球の出現がみられ、著明な線維化を伴っていた。フローサイトメトリーを用いた解析では巨核球前駆細胞(MkP)の増加がみられ、巨核球系への分化障害が確認された。RNAシークエンスでは巨核球分化に関連する遺伝子群の発現が変化しており、こうした異常は単独の遺伝子変異のみではみられないため、2つの遺伝子変異が協して生じているものであると考えられた。また、この移植マウスは骨髄線維症を呈した一方で芽球の増加は認めず、白血病は発症しなかった。DS-AMKLは高率で骨髄線維症を合併することが知られており、本研究における結果はこうした線維症の病態の理解に繋がるものであると期待される。
英文摘要
ダウン症 (DS) 児の約10%は、新生児期に一過性異常骨髄増殖症 (TAM) を発症し、一旦は自然軽快するものの、その約20%が4歳までに急性巨核芽球性白血病 (DS-AMKL) を発症する。TAMおよびDS-AMKLには全例でGATA1遺伝子異常が認められ、さらにAMKLに進展した症例の約半数にはコヒーシン関連遺伝子の変異がみられ、多段階の遺伝子変異獲得が発症に寄与していると考えられる。本研究では病態の形成に重要であると考えられるGATA1遺伝子変異と、コヒーシン関連遺伝子であるSTAG2遺伝子変異との関連について着目し、GATA1s変異ノックインマウスとSTAG2ノックアウト(STAG2KO)マウスを交配して移植実験を行った。興味深いことに、GATA1s/STAG2KO細胞を移植したマウスは白血球減少、貧血、血小板減少を呈し、骨髄と脾臓で赤芽球の減少や形態異常を伴う巨核球の出現がみられ、著明な線維化を伴っていた。フローサイトメトリーを用いた解析では巨核球前駆細胞(MkP)の増加がみられ、巨核球系への分化障害が確認された。RNAシークエンスでは巨核球分化に関連する遺伝子群の発現が変化しており、こうした異常は単独の遺伝子変異のみではみられないため、2つの遺伝子変異が協して生じているものであると考えられた。また、この移植マウスは骨髄線維症を呈した一方で芽球の増加は認めず、白血病は発症しなかった。DS-AMKLは高率で骨髄線維症を合併することが知られており、本研究における結果はこうした線維症の病態の理解に繋がるものであると期待される。
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