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生木樹皮粘菌の分布による大気環境の影響調査

生木樹皮粘菌の分布による大気環境の影響調査
大气环境对活树皮粘菌分布影响的调查
批准号:
15H00428
负责人:
高橋 和成
金额:
$0.32万
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2015
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2015 至 --

项目摘要

项目成果

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中文摘要
翻译
東アジアにおける越境大気汚染は森林や樹木の衰退に止まらず、生物多様性や生態系の機能にも影響を及ぼしている可能性がある。しかし、生態系の構成員である微生物への影響はほとんど調べられていない。本研究では大気汚染に敏感な樹種であるスギの生木樹皮に生育する粘菌の島嶼部における分布を調査し、越境大気汚染による微生物への影響を実証することを目的とした。西日本の島嶼部には、西から東へ長崎県五島列島や新潟県佐渡島が孤立的に存在し、越境汚染の程度は大陸との位置関係により異なると推定される。調査は、長崎県の五島、壱岐対馬、鹿児島県の屋久島、島根県の隠岐の島、新潟県の佐渡島でスギ樹皮を採集し、樹皮の湿室培養で発生する粘菌子実体を観察した。樹皮は7月から9月にかけて収集し、比較対照のため信州及び南紀での調査を追加した。全体で12地域の103本の試料木による1060枚の培養から各地の粘菌群集の構造と類似性を分析した。粘菌子実体は培養シャーレの87.7%に出現し、出現種数は28種になった。調査地間で樹皮pHと出現種数を母平均で比較(チューキー検定)したところ、樹皮pHはpH=3.3~4.2の範囲にあり、5グループに類別された。また、出現種数は2.7種~6.9種の範囲で出現し、粘菌群集は3グループに類別された。樹皮pHは西方の島嶼部で有意に高くなった(東経 : r=-0.767、p<0.01、北緯 : r=-0.540、p<0.05)。また、出現種数も西方地域で多くなる傾向であった。12地域の粘菌群集を非計量多次元尺度構成法で分析し、環境要因(樹皮pH、樹幹直径、緯度経度)との関係を分析した。その結果、第2軸への粘菌群集の布置は、樹皮pHと正の相関(r=0.802、ρ<0.01)を示し、東経度と負の相関(r=-0.644、ρ<0.05)を示した。つまり、大陸に近い日本列島の西北に位置する島嶼部では樹皮pHが高くなり、それに伴って粘菌群集の構造が変化し、種多様性が高くなる傾向であった。健全なスギ樹皮pHは強酸性であり、その樹皮にはカダエダホコリなど特定の種が優占した。一方、樹皮pHが中性化すると、コビトアミホコリ、シロモジホコリが増加し、さらにキノウエホネホコリ、スワリフタホコリが出現した。つまり、日本列島西方に位置する島嶼部は人為的影響の少ない自然環境であるが、地理的に大陸に近いため、越境大気汚染に暴露されやすく、スギ生木樹皮の化学性が変化し樹皮生粘菌の生育に影響が現れている。越境大気汚染は、地域生態系において複数の栄養段階に影響を及ぼしていると考えられる。
英文摘要
東アジアにおける越境大気汚染は森林や樹木の衰退に止まらず、生物多様性や生態系の機能にも影響を及ぼしている可能性がある。しかし、生態系の構成員である微生物への影響はほとんど調べられていない。本研究では大気汚染に敏感な樹種であるスギの生木樹皮に生育する粘菌の島嶼部における分布を調査し、越境大気汚染による微生物への影響を実証することを目的とした。西日本の島嶼部には、西から東へ長崎県五島列島や新潟県佐渡島が孤立的に存在し、越境汚染の程度は大陸との位置関係により異なると推定される。調査は、長崎県の五島、壱岐対馬、鹿児島県の屋久島、島根県の隠岐の島、新潟県の佐渡島でスギ樹皮を採集し、樹皮の湿室培養で発生する粘菌子実体を観察した。樹皮は7月から9月にかけて収集し、比較対照のため信州及び南紀での調査を追加した。全体で12地域の103本の試料木による1060枚の培養から各地の粘菌群集の構造と類似性を分析した。粘菌子実体は培養シャーレの87.7%に出現し、出現種数は28種になった。調査地間で樹皮pHと出現種数を母平均で比較(チューキー検定)したところ、樹皮pHはpH=3.3~4.2の範囲にあり、5グループに類別された。また、出現種数は2.7種~6.9種の範囲で出現し、粘菌群集は3グループに類別された。樹皮pHは西方の島嶼部で有意に高くなった(東経 : r=-0.767、p<0.01、北緯 : r=-0.540、p<0.05)。また、出現種数も西方地域で多くなる傾向であった。12地域の粘菌群集を非計量多次元尺度構成法で分析し、環境要因(樹皮pH、樹幹直径、緯度経度)との関係を分析した。その結果、第2軸への粘菌群集の布置は、樹皮pHと正の相関(r=0.802、ρ<0.01)を示し、東経度と負の相関(r=-0.644、ρ<0.05)を示した。つまり、大陸に近い日本列島の西北に位置する島嶼部では樹皮pHが高くなり、それに伴って粘菌群集の構造が変化し、種多様性が高くなる傾向であった。健全なスギ樹皮pHは強酸性であり、その樹皮にはカダエダホコリなど特定の種が優占した。一方、樹皮pHが中性化すると、コビトアミホコリ、シロモジホコリが増加し、さらにキノウエホネホコリ、スワリフタホコリが出現した。つまり、日本列島西方に位置する島嶼部は人為的影響の少ない自然環境であるが、地理的に大陸に近いため、越境大気汚染に暴露されやすく、スギ生木樹皮の化学性が変化し樹皮生粘菌の生育に影響が現れている。越境大気汚染は、地域生態系において複数の栄養段階に影響を及ぼしていると考えられる。
期刊论文(3)
专著(0)
科研奖励(0)
会议论文
教員向け講習会~先生に知ってもらいたい菌のヒミツ(変形菌)
教师研讨会-教师想知道的细菌的秘密(转化细菌)
DOI: --
发表时间: 2015
期刊:
影响因子: --
作者: [渡邉-東馬加奈, 大井-東馬哲雄, Kazunari Takahashi and Yuichi Harakon, Kazunari Takahashi, 高橋 和成]
通讯作者: 高橋 和成
Ecological Patterns of Wood-Inhabiting Myxomycetes in a Natural Forest of the Kamikochi, the Northern Japan Alps
日本北部阿尔卑斯山上高地天然林中木栖粘菌的生态模式
DOI: --
发表时间: 2016
期刊: The Journal of Japanese Botany
影响因子: --
作者: [渡邉-東馬加奈, 大井-東馬哲雄, Kazunari Takahashi and Yuichi Harakon]
通讯作者: Kazunari Takahashi and Yuichi Harakon
DOI: 10.4236/ojf.2015.57061
发表时间: 2015-09
期刊: Open Journal of Forestry
影响因子: --
作者: [Kazunari Takahashi]
通讯作者: Kazunari Takahashi
生木樹皮に発生する粘菌の分布と環境評価
  • 批准号:
    26923001
  • 项目类别:
    Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
  • 资助金额:
    $0.32万
  • 财政年份:
    2014
  • 负责人:
    高橋 和成
  • 依托单位:
自然観察の森における粘菌を利用した教育プログラムの開発
  • 批准号:
    25923002
  • 项目类别:
    Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
  • 资助金额:
    $0.06万
  • 财政年份:
    2013
  • 负责人:
    高橋 和成
  • 依托单位:
山岳環境における変形菌の多様性と環境適応
  • 批准号:
    23923002
  • 项目类别:
    Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
  • 资助金额:
    $0.38万
  • 财政年份:
    2011
  • 负责人:
    高橋 和成
  • 依托单位:
変形菌類のマツ腐朽にともなう移り変わり
  • 批准号:
    14917017
  • 项目类别:
    Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
  • 资助金额:
    $0.15万
  • 财政年份:
    2002
  • 负责人:
    高橋 和成
  • 依托单位: