遺伝子分析を利用した飼育下のワオキツネザルの父系判定に関する研究
遺伝子分析を利用した飼育下のワオキツネザルの父系判定に関する研究
批准号:
25924010
负责人:
佐藤 百恵
金额:
$0.38万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
财政年份:
2013
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2013-04-01 至 2014-03-31
中文摘要
マダガスカルに棲息するワオキツネザル(Lemur catta)は、近年の生息地破壊等により著しく個体数が減少しており、種保存の観点からは、野生状態での保護とともに、飼育個体の繁殖が重要な課題である。しかし、日本国内で飼育されているワオキツネザルは血統管理が十分でなく、父親の特定もできていないために、世界的な繁殖計画に寄与できていない。そのため、飼育個体数が世界的に見ても多い日本モンキーセンター(以下JMC)で飼育するワオキツネザルについて父系の血統を把握し、遺伝的多様性の維持が可能となるような繁殖計画を立てることが急務となっている。本研究では、マイクロサテライトDNAの多型分析から、ワオキツネザルの父子判定を行うことを目的とした。これまでの研究ですでに遺伝子型が特定できている繁殖に関与する可能性のある性成熟雄14個体を母子の結果と照合した。家系図を作成するために、現在JMCで飼育している100頭のワオキツネザルのうち、1コロニー(23個体)について遺伝解析を進め父子判定を行った。性成熟雄14個体について遺伝子多型が顕著なマイクロサテライトDNAマーカーのうちLc5、Lc6、Lc8、69HDZ091、69HDZ208、69HDZ035の6マーカーにつきABI社3130x1 Genetic Analyzerでフラグメント解析を行った。結果が読みやすくなるようプライマーにテール配列GTTCTTを組み込みこんだものを利用し母子の遺伝子型を検索した。当初はワオキツネザルの体毛から遺伝子分析を進めていたが、途中でDNAの収率が低く解析困難な個体が増加したため、サンプリングの方法を見直した。樫類の細い枝を10㎝程度の長さに切り、先に十字の切り込みを入れ、そこに落花生等の餌を挟み込み対象個体に齧らせた。それを溶解緩衝液入りのチューブに直接浸し、口内細胞由来のDNAを調製した。このサンプリングの方法で安定した結果が得られた。その結果、23個体のうち2011~2013年の間に出生した9個体の父子判定から、同コロニーの性成熟雄4頭のうち2頭が父親になっていることが判明した。確立できた方法を使い、今後はまだ分析していない他のコロニーの個体を調査する。JMCで出生した個体について父親を特定し、家系図を作成したうえで、近交係数や行動観察とデータの比較を行う予定である。
英文摘要
マダガスカルに棲息するワオキツネザル(Lemur catta)は、近年の生息地破壊等により著しく個体数が減少しており、種保存の観点からは、野生状態での保護とともに、飼育個体の繁殖が重要な課題である。しかし、日本国内で飼育されているワオキツネザルは血統管理が十分でなく、父親の特定もできていないために、世界的な繁殖計画に寄与できていない。そのため、飼育個体数が世界的に見ても多い日本モンキーセンター(以下JMC)で飼育するワオキツネザルについて父系の血統を把握し、遺伝的多様性の維持が可能となるような繁殖計画を立てることが急務となっている。本研究では、マイクロサテライトDNAの多型分析から、ワオキツネザルの父子判定を行うことを目的とした。これまでの研究ですでに遺伝子型が特定できている繁殖に関与する可能性のある性成熟雄14個体を母子の結果と照合した。家系図を作成するために、現在JMCで飼育している100頭のワオキツネザルのうち、1コロニー(23個体)について遺伝解析を進め父子判定を行った。性成熟雄14個体について遺伝子多型が顕著なマイクロサテライトDNAマーカーのうちLc5、Lc6、Lc8、69HDZ091、69HDZ208、69HDZ035の6マーカーにつきABI社3130x1 Genetic Analyzerでフラグメント解析を行った。結果が読みやすくなるようプライマーにテール配列GTTCTTを組み込みこんだものを利用し母子の遺伝子型を検索した。当初はワオキツネザルの体毛から遺伝子分析を進めていたが、途中でDNAの収率が低く解析困難な個体が増加したため、サンプリングの方法を見直した。樫類の細い枝を10㎝程度の長さに切り、先に十字の切り込みを入れ、そこに落花生等の餌を挟み込み対象個体に齧らせた。それを溶解緩衝液入りのチューブに直接浸し、口内細胞由来のDNAを調製した。このサンプリングの方法で安定した結果が得られた。その結果、23個体のうち2011~2013年の間に出生した9個体の父子判定から、同コロニーの性成熟雄4頭のうち2頭が父親になっていることが判明した。確立できた方法を使い、今後はまだ分析していない他のコロニーの個体を調査する。JMCで出生した個体について父親を特定し、家系図を作成したうえで、近交係数や行動観察とデータの比較を行う予定である。
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