ペレック『人生使用法』における「制約」とロマネスクの関係に関する研究
ペレック『人生使用法』における「制約」とロマネスクの関係に関する研究
批准号:
14710350
负责人:
塩塚 秀一郎
金额:
$1.34万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份:
2002
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2002 至 2004
中文摘要
『人生 使用法』を特徴づける「空虚」は、作家の生い立ちにその起源を求めることができる。精神科医ポンタリスは、偽名のもとにペレックの症例を報告し、この患者がみせる場所への執拗なこだわりが、幼年期をしるしづける「空虚」を根源にもつことをあざやかにえぐりだしている。「ピエールの母親はガス室で亡くなっていた。ピエールが飽くことなく充たそうとした空っぽの部屋の数々、その背後にはこの部屋が隠されていたのだ。あらゆる名の背後に、名もなきものがあった。あらゆる形見の背後に、痕跡ひとつ遺さず亡くなった母親がいたのだ。」部屋を充たして増殖する「細部」と同じく、『人生 使用法』を充たしている「物語」もまた、そもそもの欠如をうめあわせるものであったようだ。自伝『Wあるいは子供の頃の思い出』の冒頭は次のように始まる。「ぼくには子どもの頃の想い出がない。十二歳ごろまでのぼくの物語は数行に収まってしまう。父を四歳で、母を六歳で亡くした。戦中はヴィラール=ド=ランスの寄宿舎を転々とした。一九四五年に父の姉とその夫がぼくを養子にした、というものだ。」作家の幼年期における物語の欠如が、のちのロマネスクの希求につながっているということは十分に考えられよう。この視点から考え直すと、「制約」は単なる技術的仕掛にはとどまらなくなる。物語を求める無意識の衝動に突き動かされるままになるのでは、同一の物語を繰り返してしまう危険性があるが、「制約」によって、ペレックの紡ぎ出す物語は、そうした生々しい刻印を覆い隠すことに成功しているのである。
英文摘要
『人生 使用法』を特徴づける「空虚」は、作家の生い立ちにその起源を求めることができる。精神科医ポンタリスは、偽名のもとにペレックの症例を報告し、この患者がみせる場所への執拗なこだわりが、幼年期をしるしづける「空虚」を根源にもつことをあざやかにえぐりだしている。「ピエールの母親はガス室で亡くなっていた。ピエールが飽くことなく充たそうとした空っぽの部屋の数々、その背後にはこの部屋が隠されていたのだ。あらゆる名の背後に、名もなきものがあった。あらゆる形見の背後に、痕跡ひとつ遺さず亡くなった母親がいたのだ。」部屋を充たして増殖する「細部」と同じく、『人生 使用法』を充たしている「物語」もまた、そもそもの欠如をうめあわせるものであったようだ。自伝『Wあるいは子供の頃の思い出』の冒頭は次のように始まる。「ぼくには子どもの頃の想い出がない。十二歳ごろまでのぼくの物語は数行に収まってしまう。父を四歳で、母を六歳で亡くした。戦中はヴィラール=ド=ランスの寄宿舎を転々とした。一九四五年に父の姉とその夫がぼくを養子にした、というものだ。」作家の幼年期における物語の欠如が、のちのロマネスクの希求につながっているということは十分に考えられよう。この視点から考え直すと、「制約」は単なる技術的仕掛にはとどまらなくなる。物語を求める無意識の衝動に突き動かされるままになるのでは、同一の物語を繰り返してしまう危険性があるが、「制約」によって、ペレックの紡ぎ出す物語は、そうした生々しい刻印を覆い隠すことに成功しているのである。
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塩塚 秀一郎: "小説のモデルとしての絵画-ペレック『人生使用法』と十枚の絵"北海道大学文学研究科紀要. 107. 1-26 (2002)
盐冢秀一郎:《绘画作为小说的典范:佩雷克的《如何利用生命》和十幅画》北海道大学研究生院文告 107. 1-26 (2002)。
DOI:
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发表时间:
期刊:
影响因子:
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作者:
[]
通讯作者:
ジョルジュ・ペレック(塩塚秀一郎訳): "さまざまな空間"水声社. 223 (2003)
乔治·佩雷克(盐冢修一郎译):“各种空间”Suiseisha 223(2003)。
DOI:
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发表时间:
期刊:
影响因子:
--
作者:
[]
通讯作者:
Shuichiro SHIOTSUKA: "Perec au Japon"Formules. 6. 122-123 (2002)
Shuichiro 盐冢:“Perec au Japon”公式。
DOI:
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发表时间:
期刊:
影响因子:
--
作者:
[]
通讯作者:
占領下のパリ、強制収容所、居合わせなかった者の記億:モディアノとペレック
被占领的巴黎、集中营以及对不在场者的记忆:莫迪亚诺和佩雷克
DOI:
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发表时间:
2004
期刊:
フランス研究(北海道大学フランス語フランス文学研究会) 5
影响因子:
--
作者:
[塩塚 秀一郎]
通讯作者:
塩塚 秀一郎
Shuichiro SHIOTSUKA: "Compte rendu des recentes parutions autour des fous litteraires"Formules. 8. 361-363 (2003)
Shuichiro SHIOTSUKA:“Compte rendu descentes parutions autour des fous litteraires”公式。
DOI:
--
发表时间:
期刊:
影响因子:
--
作者:
[]
通讯作者:
共 8 条
現実志向の文学と自律的言語芸術の相克に関する研究:ウリポをめぐるケーススタディ
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批准号:24K03787
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项目类别:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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资助金额:$1.75万
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财政年份:2024
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负责人:塩塚 秀一郎
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依托单位:
19世紀後半以降のフランスにおける〈集合住宅文学〉に関する研究
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批准号:21K00431
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项目类别:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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资助金额:$1.5万
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财政年份:2021
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负责人:塩塚 秀一郎
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依托单位:
ペレック『失踪』における「文字落とし」の制約と自伝的動機の関係に関する研究
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批准号:17720042
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项目类别:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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资助金额:$1.34万
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财政年份:2005
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负责人:塩塚 秀一郎
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依托单位:
レーモン・クノーの未刊著作『不正確科学百科事典』に関する研究
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批准号:98J04693
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项目类别:Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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资助金额:$0.45万
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财政年份:1998
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负责人:塩塚 秀一郎
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依托单位: