高精度な相対論的分子理論の開発

高精度相对论分子理论的发展

基本信息

批准号：
03J11747
负责人：
阿部穣里
金额：
$ 2.04万
依托单位：
The University of Tokyo
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2003
资助国家：
日本
起止时间：
2003 至 2006
项目状态：
已结题

项目摘要

相対論的分子理論の重要性は現在では広く認識され、重原子を含む分子系ではその考察は必須となっている。相対論的量子化学の出発点である4成分Dirac方程式を直接分子系に対して解く方法は、数学的にも計算科学的にも煩雑で難しいと考えられてきた。代わって相対論的な近似理論の開発が行われてきたが、化学に対する相対論効果の影響は思いのほか大きく、最も厳密な4成分法の重要性が認識されてきている。近年ではコンピュータの性能が上がり量子化学計算のアルゴリズムも洗練され、4成分理論は実現可能な理論となってきている。しかしながら相対論的近似理論である1,2成分法に比べると、4成分理論はまだまだ未開の領域にあり、定量的な議論をできるのは限られた系に対してだけであった。特に非相対論レベルではその重要性が多く議論されてきた多配置的な静的電子相関の取り扱いについては、4成分法を基にした理論開発はあまり行われていない。そこで本研究者はcomplete active space second order perturbation theory (CASPT2)法という、非相対論レベルで高精度な電子相関効果を多配置的に取り入れることができる理論を、4成分相対論的分子理論に適用できるように拡張した。ソフトウェアの開発は終了し、2006年5月には国際会議ICQ2006で本理論を用いたTlH,PtH等の分子の基底励起状態について発表した。その後励起状態の計算を効率的に行えるようプログラムを改良し、Tl_2分子などの非常に重たい原子を含む系に対して適応した。こうした分子の分光学的定数は実験値や過去の高精度な理論計算の値によく一致しておりこれらをまとめた論文は、J.Chem.Phys.誌に掲載が受理されている。

相对论分子理论的重要性现在已被广泛认可，其考虑对于含有重原子的分子系统至关重要。用于直接用于分子系统的相对论量子化学的起点，在数学上和计算上都被认为是复杂且困难的。取而代之的是，相对论近似理论的发展已经进行了，但是相对论效应对化学的影响非常大，并且已经认识到了最精确的四组分方法的重要性。近年来，计算机的性能得到了改善，量子化学计算算法已变得复杂，四组分理论已成为可行的理论。但是，与1和2组分方法（相对论近似理论）相比，4组分理论仍在未公开的领域中，并且只能针对有限的系统进行定量讨论。特别是，基于四个组件方法的理论发展尚未实施很多关于处理多配置的静态电子相关性的理论发展，这些静态电子相关性在非递归级别上进行了很多讨论。因此，研究人员扩展了完整的活性空间二阶扰动理论（CASPT2）方法，该方法允许在非偏移性水平下具有高度准确的电子相关效应的多种配置，因此可以将其应用于四组分相对论分子理论。软件开发已经结束，并在2006年5月使用该理论在国际会议ICQ2006上介绍了诸如TLH和PTH之类的分子的全球激发态。然后改进程序以有效计算激发态，并适应包含非常重的原子（例如TL_2分子）的系统。这些分子的光谱常数与实验值和过去的高精度理论计算非常吻合，而总结这些的论文已被接受在J.chem.phys中。