「自伝」をめぐる現代文学と芸術の関係性-ロラン・バルトを中心に
「自伝」をめぐる現代文学と芸術の関係性-ロラン・バルトを中心に
批准号:
10J07670
负责人:
滝沢 明子
金额:
$1.22万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2010
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2010 至 2012
中文摘要
本年度は、広い意味で自伝的エクリチュールのひとつとみなすことができる日記にかんする研究を行った。バルトにとって日記とは文学の不可能性を端的にあらわすものであったことを示し、また、そのようなバルトの思考が、モーリス・ブランショの日記論と通底していることを示した。晩年のバルトには、1940-50年代のブランショの思想の影響が顕著にみてとれる。ブランショは『踏みはずし』、『火の部分』そして『文学空間』において、日記にかんする多くの論考を著しており、その関心は作品の追求として書かれる日記に注がれている。ブランショはジッドの『日記』に大いに興味をよせるが、最終的にカフカの『日記』が文学創造の経験として本質的であるとみなすようになる。そして、カフカの書きたいという欲望とその挫折のうちに、「書物の不在」をみる。バルトとブランショに共通する日記への関心に着目したとき、バルトが「省察」のなかで、ジッド的な日記を書くことをあきらめると同時に、理想の日記としてカフカの『日記』をあげていることの重要性が明らかになる。文学は到達不能の地点でしかありえず、バルトの小説の探求には、作品の完成をあくまで遠ざけようとする否定的な動きがつねに働く。カフカの『日記』と同じように、『小説の準備』もまた、作品の探求それ自体を文学の本質としている。バルトにおける「小説の不在」は、ブランショの思想を反映した「否定文学」の実践として位置づけられる。
英文摘要
本年度は、広い意味で自伝的エクリチュールのひとつとみなすことができる日記にかんする研究を行った。バルトにとって日記とは文学の不可能性を端的にあらわすものであったことを示し、また、そのようなバルトの思考が、モーリス・ブランショの日記論と通底していることを示した。晩年のバルトには、1940-50年代のブランショの思想の影響が顕著にみてとれる。ブランショは『踏みはずし』、『火の部分』そして『文学空間』において、日記にかんする多くの論考を著しており、その関心は作品の追求として書かれる日記に注がれている。ブランショはジッドの『日記』に大いに興味をよせるが、最終的にカフカの『日記』が文学創造の経験として本質的であるとみなすようになる。そして、カフカの書きたいという欲望とその挫折のうちに、「書物の不在」をみる。バルトとブランショに共通する日記への関心に着目したとき、バルトが「省察」のなかで、ジッド的な日記を書くことをあきらめると同時に、理想の日記としてカフカの『日記』をあげていることの重要性が明らかになる。文学は到達不能の地点でしかありえず、バルトの小説の探求には、作品の完成をあくまで遠ざけようとする否定的な動きがつねに働く。カフカの『日記』と同じように、『小説の準備』もまた、作品の探求それ自体を文学の本質としている。バルトにおける「小説の不在」は、ブランショの思想を反映した「否定文学」の実践として位置づけられる。
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DOI:
--
发表时间:
2011
期刊:
Travaux en Cours
影响因子:
--
作者:
[信澤岳, 梅田正明, 信澤岳, 信澤岳, Meiko TAKIZAWA, Meiko TAKIZAWA]
通讯作者:
Meiko TAKIZAWA
パロールとしての「小説」-バルト言語行為
《小说》作为假释 - 巴蒂克演讲法
DOI:
--
发表时间:
2010
期刊:
影响因子:
--
作者:
[信澤岳, 梅田正明, 信澤岳, 信澤岳, Meiko TAKIZAWA, Meiko TAKIZAWA, 滝沢明子, 滝沢明子]
通讯作者:
滝沢明子
フランス文化事典
法国文化百科全书
DOI:
--
发表时间:
2012
期刊:
影响因子:
--
作者:
[Midori OGAWA, Olivier Ammour-Mayeur et al., 塩川 徹也, Tetsuya Shiokawa, Tetsuya Shiokawa, 田村毅・塩川徹也・西本晃二・鈴木雅生[編]]
通讯作者:
田村毅・塩川徹也・西本晃二・鈴木雅生[編]
La representation des ouvrages sadiens chez Roland Barthes-le rapprochement de Sade et de Proust
罗兰·巴特的萨德与普鲁斯特的和解
DOI:
--
发表时间:
2011
期刊:
Revue de langue et litterature francaises
影响因子:
--
作者:
[信澤岳, 梅田正明, 信澤岳, 信澤岳, Meiko TAKIZAWA]
通讯作者:
Meiko TAKIZAWA
バルトとブランショの日記論-カフカの『日記』と文学の不可能性
巴特与布朗肖的日记论——卡夫卡的“日记”与文学的不可能性
DOI:
--
发表时间:
2012
期刊:
影响因子:
--
作者:
[信澤岳, 梅田正明, 信澤岳, 信澤岳, Meiko TAKIZAWA, Meiko TAKIZAWA, 滝沢明子]
通讯作者:
滝沢明子
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