中上健次「紀州サーガ」における「土地」と「差別」に関する研究

中上健二《纪州嵯峨》中的“土地”与“歧视”研究

基本信息

批准号：
17J00506
负责人：
松田樹
金额：
$ 0.83万
依托单位：
Kobe University
依托单位国家：
日本
项目类别：
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份：
2017
资助国家：
日本
起止时间：
2017-04-26 至 2020-03-31
项目状态：
已结题

来源：
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17J00506/
关键词：
中上健次戦後文学差別・被差別土地・地域歴史叙述故郷喪失・ディアスポラ反米アジア主義マンガ・劇画古典と現代小説穢れ「女たちの物語」サブカルチャー新批評（ヌーヴェル・クリティック）秋山駿内向の世代雑誌『風景』

项目摘要

今年度は、前年度までの研究成果を総括すべく、中上健次の「紀州サーガ」が解体・変容してゆく中期から後期に相当する小説群に主に焦点を当てた。今年度の実績は、まずは昨年度まで研究対象としてきた『化粧』の作品論を公にした（『国語と国文学』査読付、2020年8月）。従来の研究では作家の部落問題に関する意識はその生まれの下に読み解かれてきたが、本論ではそれが小説を書くことを通じて事後的に立ち現れることを作品の叙述に即して証明した。今年度はこうした成果を土台に、以下の二つの方向性からそれが解体・変容してゆく様を考察した。第一に、作家の故郷を舞台にした『千年の愉楽』を取り上げ、オリュウノオバという老婆の記憶によって作り出される「路地」の表象と、同時期に改善事業が進められていた郷里の実態との相違に焦点を当てた。オバの存在は、謂わば『化粧』以来構築されてきた故郷像と現実の郷里との齟齬から生み出されたものである。執筆者は彼女が作り出す路地の仕組みを叙述に即して明らかにするとともに、彼女の権威が撹乱されることで、それが自壊してゆく様までもが作中に書き記されていることを明らかにした。なお、その成果は、日本近代文学会関西支部にて口頭発表を行なった（関西支部秋季大会、2019年11月）。第二に、中上がサブカルチャーへと接近した『異族』『南回帰船』という二作を分析した論考を公にした（共著『マンガ／漫画／MANGA』、神戸大学出版会、2020年3月）。『化粧』が「土地」や「差別」の主題が明瞭な形を取って浮上し始めるその起源に位置するとすれば、両作はいずれも作家において同様の問題がもはや終着を迎えた地点に定位しうる。執筆者はこれまで傍系として捉えられてきたその両作を中上の活動の主軸に絡めて理解するとともに、アジアとの繋がりや反米主義的なイデオロギーといった新たな傾向が看取されることを明らかにした。

今年，为了总结到上一年的研究结果，我们主要关注与中期至后期相对应的小说，当时Nakagami Kenji的“ Kishu Saga”正在拆除和转换。今年的成就首先发表在“化妆理论”上，该理论一直在去年进行研究（对“日语和日语文学”的同行评审，2020年8月）。在先前的研究中，作者对Buraku问题的意识已从他的天生来源解释，但是在本文中，本文证明了它通过写小说而出现的，符合作品的叙述。今年，我们开发了这些结果作为基础，以考虑如何从以下两个方向拆除和转换这些结果。首先，我们采用了“千年的享受”，这是在作者的家乡中设定的，并专注于由一个名叫奥里诺巴（Oryunoba）的老妇人所创造的“小巷”的代表与家乡的现实，在同一时间进行改进项目。老人的存在源于他的家乡之间的差异，这是自“化妆”和他真正的家乡以来建造的。作者揭示了她以叙事方式创造的小巷的机制，并揭示了故事还描述了她的权威如何破坏和自我毁灭。结果是在日本现代文学学会（Kansai Branch Autumn Conferterion，2019年11月）口服的。其次，纳卡加米（Nakagami）发表了一篇文章，分析了两部作品：“遥远的家庭”和“南方返回船”，该作品接近亚文化（由漫画/漫画/漫画合着，科比大学出版社，2020年3月）。如果“化妆”位于其起源中，“土地”和“歧视”的主题开始以清晰的形式出现，那么这两种作品都可以定位在现在已经达到作者结束的类似问题的点上。作者了解这两种作品都被视为并排的作品，以及他们在Chuokami时代的活动的核心，并揭示了将监控与亚洲和反美意识形态的新趋势。