ラベルフリー分子振動イメージング法を用いた細胞内温度生物学
ラベルフリー分子振動イメージング法を用いた細胞内温度生物学
批准号:
21J11569
负责人:
戸田 圭一郎
金额:
$0.96万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
财政年份:
2021
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2021-04-28 至 2023-03-31
中文摘要
蛍光温度プローブを用いた細胞内温度計測によって10マイクロメートルサイズの細胞内に数Kの温度勾配が存在する様子が観察されている。それは、温度が細胞機能制御に深く関わっている可能性を示唆し、温度生物学の重要性を示すものである。しかし、その温度勾配は水に近い細胞内熱伝導を仮定した際に生まれうる値よりも約5桁高く、蛍光プローブが細胞内温度を正しく計測できていない可能性があるため、蛍光温度プローブの温度計としての正当性に関する議論が過去10年にわたって行われてきた。そこで我々は、蛍光標識を用いないラベルフリー顕微鏡を用いることで細胞内の熱伝導や温度変化の計測を行い、蛍光の結果と比較を行った。具体的には、(前年度に開発した) 細胞内の水分子に赤外吸収を引き起こし、それによって起こった温度上昇に伴う屈折率変化を屈折率顕微鏡で可視化する赤外フォトサーマル定量屈折率顕微鏡を用いた。まず、ナノ秒レーザーを用いたポンプープローブ法を利用してマイクロ秒スケールの細胞内熱拡散を捉えた。その結果から、熱の流れを表す熱拡散率を定量し、細胞内の熱拡散率が水に近い値を示すことを確かめた。また、加熱による温度の時間変化を蛍光顕微鏡と比較した。すると、蛍光では熱伝導に従わない信号の変化が観察されたのに対して、赤外フォトサーマル顕微鏡では熱拡散率から予想される温度の時間変化が観察された。これらの結果から蛍光顕微鏡は熱エネルギーで決まる温度以外の細胞内エネルギーも同時にとらえている可能性が高いことがわかった。
英文摘要
蛍光温度プローブを用いた細胞内温度計測によって10マイクロメートルサイズの細胞内に数Kの温度勾配が存在する様子が観察されている。それは、温度が細胞機能制御に深く関わっている可能性を示唆し、温度生物学の重要性を示すものである。しかし、その温度勾配は水に近い細胞内熱伝導を仮定した際に生まれうる値よりも約5桁高く、蛍光プローブが細胞内温度を正しく計測できていない可能性があるため、蛍光温度プローブの温度計としての正当性に関する議論が過去10年にわたって行われてきた。そこで我々は、蛍光標識を用いないラベルフリー顕微鏡を用いることで細胞内の熱伝導や温度変化の計測を行い、蛍光の結果と比較を行った。具体的には、(前年度に開発した) 細胞内の水分子に赤外吸収を引き起こし、それによって起こった温度上昇に伴う屈折率変化を屈折率顕微鏡で可視化する赤外フォトサーマル定量屈折率顕微鏡を用いた。まず、ナノ秒レーザーを用いたポンプープローブ法を利用してマイクロ秒スケールの細胞内熱拡散を捉えた。その結果から、熱の流れを表す熱拡散率を定量し、細胞内の熱拡散率が水に近い値を示すことを確かめた。また、加熱による温度の時間変化を蛍光顕微鏡と比較した。すると、蛍光では熱伝導に従わない信号の変化が観察されたのに対して、赤外フォトサーマル顕微鏡では熱拡散率から予想される温度の時間変化が観察された。これらの結果から蛍光顕微鏡は熱エネルギーで決まる温度以外の細胞内エネルギーも同時にとらえている可能性が高いことがわかった。
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