脳MRIを用いた認知スタイルの個人差と脳形態の関係に関する研究
脳MRIを用いた認知スタイルの個人差と脳形態の関係に関する研究
批准号:
22700443
负责人:
佐々 祐子
金额:
$1.5万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
财政年份:
2010
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2010-04-01 至 2013-03-31
中文摘要
小児期においても社会的行動による認知スタイルの違いの報告があり、また成人対象の脳MRI研究では、認知スタイルの違いと脳の活動パターンの違いが報告されている。しかしながら、社会的行動の個人差に関する脳の形態的基盤はこれまで解明されていない。本研究は、認知スタイルの個人差を決める脳の形態学的神経基盤を明らかにすることが目的である。本研究では、認知スタイルの指標の一つとして世界的に用いられているものの一つであるEmpathizing-Systemizing理論に基き、他者の感情への適切な処理能力と関係する共感志向(EQ)と、物理的因果関係の処理能力に関係するシステム化志向(SQ)という2つの心的機能に着目した。本年度は、5-16歳までの日本人健常小児を対象とし、EQとSQ及び脳MRIデータの収集、解析の結果に基づき、論文執筆を行った。EQとSQのスコアはEQ-SQテスト(質問紙)により求めた。その結果、EQとSQのスコアはいずれも年齢との相関は見られなかった。また対応する被験者の局所灰白質量はvoxel-based morphometryの手法により算出した。また、Qのスコアと左下前頭(弁蓋部)-上側頭皮質領域の局所灰白質量と正相関が見られた。これらの領域は、情動処理を司る領域であり、近年では他の共感スコアとこれらの領域の活動が相関することが報告されている。一方、SQスコアと左頭頂葉後部の局所灰白質量と負相関が見られた。これらの領域は、視空間記憶や、エピソード記憶における選択的注意に関する処理に関わることが知られている。更に、これらの領域の一部は性差では説明がつかない領域であった。このように、小児では、EQとSQのスコアによる認知スタイルと、心的機能と関連する脳領域の形態学的構造(局所灰白質量)との間に相関がみられることから、社会的行動を決定する認知スタイルの個人差が脳の形態学的相違に基づく可能性が示唆された。これらの結果を、この分野での代表的な欧米雑誌であるNeurolmageに投稿し、受理されたため、広く結果が公開された。
英文摘要
小児期においても社会的行動による認知スタイルの違いの報告があり、また成人対象の脳MRI研究では、認知スタイルの違いと脳の活動パターンの違いが報告されている。しかしながら、社会的行動の個人差に関する脳の形態的基盤はこれまで解明されていない。本研究は、認知スタイルの個人差を決める脳の形態学的神経基盤を明らかにすることが目的である。本研究では、認知スタイルの指標の一つとして世界的に用いられているものの一つであるEmpathizing-Systemizing理論に基き、他者の感情への適切な処理能力と関係する共感志向(EQ)と、物理的因果関係の処理能力に関係するシステム化志向(SQ)という2つの心的機能に着目した。本年度は、5-16歳までの日本人健常小児を対象とし、EQとSQ及び脳MRIデータの収集、解析の結果に基づき、論文執筆を行った。EQとSQのスコアはEQ-SQテスト(質問紙)により求めた。その結果、EQとSQのスコアはいずれも年齢との相関は見られなかった。また対応する被験者の局所灰白質量はvoxel-based morphometryの手法により算出した。また、Qのスコアと左下前頭(弁蓋部)-上側頭皮質領域の局所灰白質量と正相関が見られた。これらの領域は、情動処理を司る領域であり、近年では他の共感スコアとこれらの領域の活動が相関することが報告されている。一方、SQスコアと左頭頂葉後部の局所灰白質量と負相関が見られた。これらの領域は、視空間記憶や、エピソード記憶における選択的注意に関する処理に関わることが知られている。更に、これらの領域の一部は性差では説明がつかない領域であった。このように、小児では、EQとSQのスコアによる認知スタイルと、心的機能と関連する脳領域の形態学的構造(局所灰白質量)との間に相関がみられることから、社会的行動を決定する認知スタイルの個人差が脳の形態学的相違に基づく可能性が示唆された。これらの結果を、この分野での代表的な欧米雑誌であるNeurolmageに投稿し、受理されたため、広く結果が公開された。
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