日本美術における鶴に見る和漢の意識ー中世の涅槃図を中心にー
日本美術における鶴に見る和漢の意識ー中世の涅槃図を中心にー
批准号:
20K12867
负责人:
藤元 晶子
金额:
$1.16万
依托单位:
依托单位国家:
日本
项目类别:
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
财政年份:
2020
资助国家:
日本
项目状态:
已结题
起止时间:
2020-04-01 至 2024-03-31
中文摘要
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英文摘要
令和4年度も前年度に引き続き、研究期間の大半において、新型コロナウィルス拡大に伴う諸制限があったため、当初予定していた調査ができないことが多かった。調査には、長距離の移動のみならず、長時間・直接の人的接触を伴うためである。それを補うため、展覧会に出陳されている涅槃図の作例、寺院の法要の際に掛けられた涅槃図を可能な限り実見した。当該年度では、35作品の涅槃図を見ることができた。主な作例は以下の通り。重要文化財 岐阜・汾陽寺本(平安時代)、重要文化財 京都・長福寺本(南宋時代)、重要文化財 愛知・甚目寺本(鎌倉時代)、茨城県指定文化財 宅間長祐筆 茨城・法雲寺本(1354年)、京都府暫定登録文化財・長岡京市指定文化財 京都・光明寺本 (南北朝時代)、岐阜県指定重要文化財 岐阜・真長寺本(南北朝~室町時代)。本研究開始以前からの成果も含め、管見の限り、鶴が描かれた最も早い涅槃図の作例は、平安時代に制作された重要文化財 岐阜・汾陽寺本で、種はマナヅルであった。これまでの調査結果からは、鎌倉時代前半までに制作された涅槃図に登場する鶴は、すべてマナヅルであり、明らかにタンチョウと判断できる作例が登場するのは、現状では早くとも14世紀に入ってからであると言える。宅間長祐筆 茨城・法雲寺本はその早期の一例である。また、13世紀後半から14世紀にかけて、タンチョウのように体部が白いが、頭部の赤い部分は頭頂ではなくマナヅルと同様の目の周囲にあり、両種を混交したような鶴が一部作例で見られることも判明した。涅槃経の記述に関連し、涅槃の場に「白い鶴」(=タンチョウ)が求められる一方で、タンチョウの外見に関する知識が十分に普及していなかった可能性が示唆される。
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